同友会活動における情報化推進のあゆみ

Ⅳ.同友会の組織活動の支援〜対外的発信と組織戦略への組み込み

3.同友会の活動スタイルを変えた、組織活動支援システム「e.doyu」

(Ⅳ)2005年9月、5300名からの利用開始〜経営者がITに親しむきっかけに

仕様を固める一方で、システムのランニングコストの裏付けとなる、1ID50円で5000ID以上の利用をすすめるために、各同友会役員や事務局の理解を広げるよう、検討会役員がブロック別事務局長会議やブロックごとの説明会(9カ所で開催、37同友会207名が参加)などで訴えるとともに、中同協第37回定時総会(2005年、千葉)で導入の意義を訴えました。

その結果、2005年9月、7同友会(三重、大阪、兵庫、広島、徳島、福岡、沖縄)5300IDで運用開始することとなりました。

その後、中同協情報化推進本部(後述)が設立され、ブロックごとに役員を配置。06年度からはブロックごとの代表者会議などでプレゼンテーションや実践報告の場面を持ち、導入推進が図られていきました。

各同友会では当初、情報化関連組織が担当するなどして導入の推進を図ろうとしていましたが、組織活動支援という観点から、支部やブロックを統括する組織担当部門が導入推進に責任を持ち、支部長や委員長などが率先して導入推進を図り、支部への情報発信、例会参加状況の共有、入会説明などで幅広く活動のツールとして活用していくことで、次第に普及していきました。これは先進事例を持つ愛知同友会での教訓でもありました。

年に3回程度行われる「e.doyu管理担当事務局会議」で、e.doyu活用事例の交流とともに、利用している同友会の改善要望が審議され、会議と同回数のシステムバージョンアップを重ねています。また、2008年9月にはサーバーの強化を行い、ID数やアクセス数の増加に対応すべく、ハードウエア環境も整備しています。

(Ⅴ)e.doyu全会員導入によって変わる同友会運動

e.doyuを全会員に導入することで、同友会が得られた大きな変化と成果は以下の6点にまとめることができます。

① 事務局中心の情報収集発信を役員と事務局の共同で

従来、事務局が例会等の案内を出し、FAXの返信で出欠管理をしていたものが、役員が案内を出し、出欠管理まで行えることや出欠状況を共有することで、未回答者への声かけを分担して行うなど、例会参加への訴求力が強まり、役員間の連帯の強化にもつながっていきました。

② リーダーの発信力の強化

掲示板のメール配信機能などを利用して、支部長など組織のリーダーが支部の全会員に日報を送る、会員訪問の様子などを配信するなど、支部例会以外での密度の濃い情報交換が行われることとなり、リーダーとしての発信力の強化にもつながっています。

③ 情報共有で波のある活動から積み重ね型への活動へ

文書共有の仕組みなどを利用することで、過去の資料を検索・閲覧できるようになり、支部長が変わるごとに活動が1から始まる「のこぎり型」から、従来の教訓を踏まえた上で「積み重ね型」の活動スタイルを確立することができるようになりました。

④ 質の高い事務局へ実務軽減

事務局の実務は、支部や委員会の例会設営のための諸実務・打ち合わせなどが業務の大半を占めています。e.doyuで情報を共有し、案内配信や参加者管理などが役員と連携してできるようになることで、実務は軽減され、より質的に高い活動に力を発揮することが期待されています。

⑤ アンケート機能で声の集約・発信〜対外的訴求力強まる

建築確認遅延問題、景況調査、金融実態調査、障害者雇用実態調査、個人情報保護に関する実態調査などがe.doyuのアンケート機能を使って実施され、回答結果を即時共有したり、未回答者への催促メールも配信されるようになったことで、一気に回答率が高まった同友会も出てきました。中間報告や速報体制をとることで、マスコミの注目度が上がるとともに、中小企業家の声を行政施策に反映させることもできるようになってきています。

⑥ 企業のIT化促進にも

e.doyuは電子メールの活用を前提としているため、利用する経営者には電子メールを同友会に登録することが強力に推進され、ITに不慣れな経営者には、推進役員がパソコンの導入・使い方から教えるなど、同友会の連帯の精神が発揮されました。e.doyuを全会員で利用する同友会は、アドレス取得率が役員で9割、一般会員で7割を超えるようになってきています。これは他団体と比して圧倒的な取得率となっており、結果として同友会の求心力と情報伝達のスピードと円滑さを示すものともなっており、外部からも注目されてきています。

さらには、企業へグループウエアを導入する動機づけともなり、企業内でIT化が進んだ実例が出てきています。また会員の携帯電話利用が、電話機能だけの利用から、QRコード読み取りやメール・WEB閲覧などの情報機器としての利用へとすすみ、「IT活用は経営者の経営課題」とされるなか、着実な成果を上げています。

⑤ 【具体的事例】中小企業の声が国の施策をつくる

中同協では、2007年度経済産業省の「個人情報保護中小企業対策検討委員会」に委員を出していましたが、第1回委員会(2007年6月22日)の3日前に、中小企業の取り組み状況の報告依頼がありました。

2日前には、本分野を担当する情報化推進本部が、e.doyuなどを使っている同友会を中心に、簡単な実態調査を依頼。翌委員会前までの23時間で会員272名(愛知、大阪、福岡)から回答があり、委員会では中同協の委員が実態調査の中間集計を発表し、注目を集めました。

8月1日に行われた第2回目の審議会では、第1議題が同友会15府県(回答数1747)で実施した先の調査の最終集約結果報告となり、「分かりやすい解説書がほしい」という声が圧倒的に多かったことを訴えて、中同協の委員が議論をリード。それまでの担当官の提案を覆し、経産省として中小企業対策の第一歩として、ファーストステップガイドを作成する方向で、検討に入ることになりました。

これらのe.doyu活用の教訓と成果は、「中小企業家しんぶん」連載や「全国広報・情報化交流会」で普及され、2009年5月現在、47同友会中44同友会と中同協で24800IDが登録され、利用されてきています。またe.doyuの利用が進むにつれ、同友会へのメールアドレスの登録率は徐々に高くなり、73%を超えています。

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