中小企業憲章と私

「暮らすなら呉、子どもを育てるなら呉の町」をめざして

広島同友会政策委員長 瀬島 高志(合同呉運送(株)社長)


 私は、呉に生まれ、呉で育ち、そして今家族5人で暮らしています。お互いの顔が見える呉の町がとても好きです。

 40万の人口を抱えた時期もありましたが、市町村合併で増えたとはいえ現在は25万です。しかし、25年後の人口はマイナス23.7%、総生産はマイナス18.3%になると予想されています。何とか地域の経済を守りたい、子どもたちに豊かな呉を残したい、そんな思いをもっているのは私だけではありません。地域の発展のために、地域に根ざす私たち中小企業が頑張ろうと、呉支部の仲間や地元の学校の先生、行政、金融機関の方々と「孫子の代に残したい呉市の姿とは」のテーマを一緒になって勉強しているところです。

 ところで、呉の町を少しでも良くするために、わが社でできることは何か。それは事故を起こさず、乱暴な運転をしたり、必要以上に排気ガスを出しながら走らないことでしょう。つまり、安全輸送や交通安全に努めることであり、積極的に環境問題に取り組むことで、経営理念に明文化しています。地域の子どもたちに「あの色のトラックは良いね」と噂され、しかも友だちからその話を聞いた社員さんの子どもの喜ぶ姿。そして、何よりもそこで働く親を誇りに思うはずです。

 中小企業憲章の話は、2003年7月に福岡で行われた全国総会で三井逸友先生から伺いました。「中小企業1社1社が頑張ることによって地域のバックボーンになれるし、またならないといけない」との意を強くした分科会でした。もちろん、中小企業の独り善がりではなく、地域再生のためには光り輝く中小企業を周囲が正当に評価する仕組みが必要ですし、そのための中小企業憲章だと思います。

 わが社の中小企業憲章は、「社員さんの子どもたちが理解し賛同してくれる会社づくり」です。まだまだ発展途上ですが、同友会の仲間と一緒に、地域の人たちを巻き込みながら、「暮らすなら呉、子どもを育てるなら呉の町」をめざしたいと思っています。

「中小企業家しんぶん」 2007年 1月 15日号から

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