中小企業憲章と私

「憲章」が「他人事」から「実感」へ

大阪同友会 中小企業憲章推進本部 副本部長 音頭 良紀(東洋製鉄(株)専務)


 中小企業憲章学習運動から制定運動へ、今年から大きく運動が広がりをみせています。

 大阪同友会では中小企業憲章推進本部が発足し、中小企業憲章をより身近なものとして考え、自社の経営課題と直結させ「わが社と憲章」「私と憲章」の視点で議論を繰り返しています。

 私が憲章と向き合ったのは最近のことで、以前は他人事のように考えていました。特に私にとってインパクトのあったのは、この運動が同友会3つの目的や「生きる・くらしをまもる・人間らしく生きる」の総合的実践であり、地域を活性化させるのは地域自身であるということです。

 すでに大阪では、八尾市において中小企業地域経済振興基本条例が制定されており、同友会と定期的にシンポジウムも開催しています。今年度は、寝屋川市・守口市・大東市・岸和田市・門真市と懇談会・勉強会を開催し行政の抱えている状況の把握・地域経済の分析などを通して、私たち中小企業が地域活性に無くてはならない存在であるということを実感しました。

 日本の労働者の8割は中小企業で働いており、その家族を含めこの人たちの暮らしが守れないと日本の将来はありません。大切なことは、地域の活性化は地域自身で担うべきことであり他人任せにはできないということを中小企業経営者が認識し、自覚を持ち自信を持たなければならないということです。

 中小企業憲章のめざすべきものは、国民の暮らしを安定させ守ることにあり、現在いる社員や家族のみならず、孫や子のためにも、将来が展望でき、夢が広がり安心して暮らせる社会の実現につながることだと思います。それは、地域にとって「あの会社があって良かった」と言われる会社になること、更に地域既存の中小企業・自営業が元気になり、新たに中小企業や自営業が誕生しこの運動に加わってもらう、まさに地域づくり・国づくりの運動だと思います。

 今は一人ひとり小さな力かもしれませんが、大きな役割を担っているのだとの誇りをもち、水面に投げた小石の波紋が大きく広がるように、憲章が大きなうねりになると確信をもって、これからも中小企業憲章制定に向かって楽しく運動を推進していきます。

「中小企業家しんぶん」 2007年 9月 15日号から

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