中小企業憲章と私

「地域の主権者」の自覚を持って

中同協政策委員会地球環境部会長 平沼 辰雄((株)リバイブ社長/愛知)


 2001年に第1回開催以来、これまで4回開いてきた「中小企業地球環境問題交流会」。「中小企業こそ地域における環境保全型社会の積極的な担い手である」との使命感を持ち、環境負荷の少ない企業活動や、行政や市民とのネットワークによる市場づくり・地域づくりなどの交流を通して、「持続可能な社会の実現が、中小企業憲章の目指す社会の土台づくり」であることを確認してきました。

 地域で経営を続け、地域の雇用を創造し、さまざまな製品やサービスを提供するわれわれ中小企業の存在は、地域環境・経済の担い手として重要な役割をもっているのです。

 当社の環境理念は、「自然環境の回復・復元に挑戦し善循環型社会の実現を目指します。」「地域から地球へ地球クリーニング」です。当社の仕事は廃棄物を処理して社員を養うだけでなく、どんな社会を目指すのか、そのために当社がどんな役割を果たすのか、地域が持つ資源をどう生かし、善循環させていくのかを提案していく仕事です。

 地域の中で認められ、地域に理念を発信することが、中小企業振興基本条例制定にもつながります。地域のために、まず自社がよい会社にならないといけません。「地域資源を生かし、地域を支えるのは、われわれ中小企業家だ」との、しっかりとした使命感を持たなくてはと考えています。

 当社では、愛知同友会会員企業で食糧問題・障害者雇用に取り組む「環境共生型コミュニティー食農循環プロジェクト」のなかで、善循環型システムをつくることを目指し、地域のバイオマス資源の利活用・食の循環ループづくりの取り組みを始めました。

 地球環境保全に果たす中小企業の役割は大きく、「中小企業の繁栄は、国民生活の繁栄安定と一体のもの」であり、「中小企業憲章」は「人類生存憲章」でもあるといわれるように、憲章制定運動では、持続可能な社会を確かなものにしていく取り組みが欠かせません。

 同友会が理念的に目指していることは、対処療法ではなく、「人間尊重の経営」「人類永遠の存続と繁栄」「人間が人間らしく生き・暮らし・働ける社会の実現」です。これまでの社会の延長で「持続可能の社会」を考えることから、社会のあり方そのものを根本から見直し、「維持可能な未来」にしていくためにも、早期に部会から委員会にしていきたいと思っています。そして、すべての都道府県に地球環境問題委員会が設立されることを期待しています。

「中小企業家しんぶん」 2008年 2月 15日号から

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