【09.06.12】ひらめきをときめきに 学んで実践! 第13回女性経営者全国交流会

問題提起「女性経営者に託したい未来」~1日目全体会

 
6月11~12日、第13回女性経営者全国交流会が新緑に囲まれた青森県の奥入瀬渓流ホテルで開かれ、36同友会から440名が参加しました。

メインテーマ「ひらめきをときめきに 学んで実践!~生活者の視点で企業づくり、地域づくり」のもと、1日目は全体会と8分科会が開かれ、全体会では「女性経営者に託したい私たちの未来」と題して、赤石義博・中同協相談役幹事が問題提起。

中同協40周年の今年、中小企業憲章草案が発表される中、6年前の交流会で提起された「(1)生活者の視点を大事にした経営、(2)草の根経済活性化の原動力に、(3)平和の担い手に、(4)原点活動の重視」の4点を深め、参加者に実践を促しました。

感動と学びを共有~分科会

 
問題提起を受けて、以下の8分科会が開かれました。

第1分科会 経営者として新たな夢への挑戦~経営指針作成から現在まで
      報告者 田中美幸・?フローレス代表取締役(鳥取)
第2分科会 打つ手は無限!!経営環境変化への対応は経営者の責任
       ~訪問販売からエステティックサロンへの業態変化
      報告者 新城恵子・㈱アイリスエステサロン代表取締役(沖縄)
第3分科会 共育ちは思ったより時間がかかるもの
      報告者 大西智子・朝日商事㈱/取締役常務(青森)
第4分科会 わたしの夢、女将への挑戦・・・第2創業の『宝山亭』
      ~強くなければ生きてゆけない、優しくなければ生きてゆく資格はない
      報告者 小田美恵・㈱宝山亭代表取締役(愛媛)
第5分科会 事業継続・継承のための時代対応と企業ブランド強化
      報告者 大東和子・大東寝具工業㈱取締役会長(京都)
第6分科会 仕事は人についてくる 女性も一緒に活躍する会社づくりの実践
      ~人を育て、人を大切にする社風で、地域の暮らしを守る
      報告者 藤田光夫・藤田建設工業㈱代表取締役
          梶春江・藤田建設工業㈱総務課長(福島)
第7分科会 モノを運ぶ会社から、運ぶモノを企画・開発する企業へ
      ~産学官連携による苫小牧地域特産物ハスカップの機能性食品を開発
      報告者 大西育子・㈱はすかっぷサービス代表取締役(北海道)
第8分科会 本気が私を変えた~いっしょに幸せになるために
      報告者 西村佳津子㈱ロッコ-取締役部長(大阪)

各分科会で、報告に基づいたグループ討論が行われ、深い学びと感動が広がりました。

スコップ三味線とねぶたで盛り上がる懇親会

 
懇親会では、沼尾紀恵子実行委員長あいさつの後、三村申吾・青森県知事と小山田久・十和田市長があいさつ。鋤柄修・中同協会長が乾杯の音頭をとりました。舞台の背景の幕が引かれ、ライトアップされた奥入瀬の緑と豊かな水を背景に、スコップを三味線に見立てた「スコップ三味線」の演技を、衣装をそろえた青森同友会女性部役員で熱演。

最後に本物の「担ぎねぶた」が登場。舞台からせりあがり、会場を沸かせました。また囃子に合わせて「跳人(はねと)」として青森の会員が登場。参加者全員が跳人として輪を作り、会場全体が熱気に包まれました。

夢の実現=地域へのお役立ち~2日目全体会分科会報告

2日目は、8名の分科会座長が登壇し、前日の分科会報告やグループ討論での学びの内容を報告。
「経営者が経営の目指す方向を示して経営革新をし続け、社員とともに夢を実現していく」
「共同求人活動を通じて若者に生きがいと夢を与えられる企業に。業態転換するにも人材育成が大事」
「やり続けること、できるまで努力すること。笑顔の下でどれだけ努力しているかが問われる」
「生活者の視点で地域から必要とされる企業となることは、経営者自身の自己実現でもあること」
「夫の死で、子ども二人を抱えて主婦から経営者になり、同友会で学び続けて、何のために経営しているのかを問いかけ、息子に計画的に経営を引き継いできた」
「公共事業が7割減となる厳しい建設業界で、人を育て大切にする社風をつくり、女性が出産して働き続けられる環境を整備。ワークライフバランス(仕事と生活の調和)を追求し、社員が成長し、仕事で仕事が取れる会社に」
「小口輸送に発展させた延長線上に、運ぶものを作る発想で、特産品・ハスカップに着目。産学官連携で機能性食品を開発」
「同友会で学び、仕事や社員にかかわる姿勢を変え、働く喜びが実感できる企業に」
それぞれの貴重な成果と教訓が語られました。

「環境、健康、共存」がキーワード~記念講演

記念講演は「おからこんにゃくで全国展開~一主婦から全国注目の食材が生まれた」をテーマに、岡田哲子・ベジタリアン料理研究所蒟菜所長が登壇。

父親の死をきっかけに食材に注目し、菜食主義になるなか、こんにゃくとおからを混ぜることで肉の食感に似た「おからこんにゃく」を発明。国際的にも注目され、広く食品メーカーと提携して、青森発の食品に育て上げた経緯を紹介。「環境、健康、共存」のキーワードで、菜食主義を訴えました。最後に「人間は万物の霊長として限りなくやさしく環境に接しなければならない。食の問題を通じて、世界平和にも寄与していきたい」と強調しました。

どんな困難にも企業づくりをあきらめない~まとめ

まとめにたった広浜泰久・中同協幹事長は「1.女性の感性に磨きをかけ、経営理念に基づき困難があっても企業づくりをあきらめない姿勢と家族や社員、地域との連帯のきずなをもとに仕事づくりをしていくこと。2.そこで生まれた人がその地を守る。そのための中小企業振興基本条例や憲章の制定の必要性。3.世の中に何を返していくか、お返しの人生を考える。交流会の成果を実践に結び付けていくことが大切」と訴えました。

最後に次回開催地の静岡同友会の藤原代表理事が閉会あいさつに立ち、2011年第14回女性経営者全国交流会への参加を呼びかけました。