【11.03.25】中同協会長談話「連帯の力で大震災復興の支援を」

中小企業家同友会全国協議会(中同協)
会長  鋤柄 修

このたびの東日本大震災で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

ニュースなどで伝えられる被害状況は、想像を絶するものです。被害は、東北地方だけではなく、関東など広範囲に広がっています。今こそ日本全体が心を一つにして、この困難を乗り切る時だと思います。中同協では、東日本大震災復興対策本部(本部長:広浜幹事長)を設置し、義援金・物資支援などの呼びかけを行っています。すでに全国の会員の皆さんから、さまざまな支援が寄せられておりますが、改めてご協力をお願い申し上げます。

また地震と津波に加えて、福島第1原発の事故が重なるという、歴史上かつてない事態となっています。地域の皆様は大変な不安の中で過ごされていることと思います。原発事故は、近隣の農産物などにも影響を与えており、風評被害も心配されます。政府には、地域の方々が一刻も早く安心して暮らせるように、的確な情報を提供するとともに、早目早目に対策をうつことを望むものです。

今回は、阪神大震災などの教訓も生かして、同友会事務局が情報センターとなり、初期段階からいち早く同友会独自の支援物資の提供ルートを確立することができました。特に被災地の近隣同友会の連携プレーが効果を発揮し、支援の大きな力になっています。

今後も全国から可能な限り支援を行っていきますが、何といっても被災を受けた同友会の皆さんが力を合わせて立ち上がることが、復興に向けての最大の力になると思います。ぜひ同友会の連帯の精神を発揮して、お互いに励まし合いながら、それぞれの地域で災害から立ち上がる大きな力になっていただきたいと思います。

ITによるネットワークの重要性も改めて感じています。e.doyuを通じて毎日、被災地の状況や支援の取り組みなどの情報が伝えられ、全国で情報の共有化がいち早く行われています。これも支援活動を支える大きな力になっています。
直接の被害に合わなかった方も、今後、取引関係などで影響が出ているところもありますし、大きな災害などが起きる可能性は充分考えられます。今回の震災を契機に、一層危機管理を念頭に置いて経営にあたることが必要ではないでしょうか。

残念な現象として、「買い占め・売り惜しみ」も一部で報道されています。「買い占め・売り惜しみ」は、被災地の方々に必要なものが回らなくなるなど、大きなしわ寄せを引き起こしています。第1次オイルショックで人為的な物不足が発生した時、私たちの先輩は、「便乗値上げ売り惜しみ等の悪徳商人にはならない」との声明を発表しました。今こそ「地域と共に歩む」という同友会理念を実践し、地域の期待に応えられる企業と同友会をめざしていきましょう。

今回の復興は、期間的にはかなり長期になると思われます。粘り強く、継続し、同友会の連帯を強化して復興や支援活動に取り組んでいきましょう。