【岩手同友会】自分たちの地域は自分たちでつくる!~復興特別例会②中小企業憲章・条例学習会(2011.08.06)

地域経済を支える要として

植田先生
 8月1日、アイーナにおいて、慶応義塾大学 教授 植田浩史氏(中同協・企業環境研究センター副座長)をお招きし、復興特別例会②中小企業憲章・条例学習会が行われました。

 当日は盛岡さんさ踊りの初日にも関わらず、紫波町から町職員の方々も参加、また滝沢村、矢巾町など各市町村に深く思い入れのある経営者25名が参加し、震災後の地域と企業づくりの展望を考えました。

 植田氏は、中小企業の産業振興がさほど必要なかった時代から、自治体にも以前のような潤沢な予算が取れない中、地域を支える中小企業の役割が大きくなっていることに触れ、具体的にどれだけの雇用と地域の経済を支える要であること、税収の面でも大きな地域の支えになっていることなどを挙げました。

中小企業全体がレベルアップしなければ

例会の様子1
 また、振興条例の制定で地域や行政の方々に、より中小企業の存在を知っていただき、たとえ行政の担当者が変わっても連続性をもって様々な機関が一体となって中小企業を応援していくこと。さらに様々な問題を全て中小企業の視点から考える起爆剤として、大きな効果があることなど、大阪八尾市の例や北海道帯広の例をもとに、全国各地で中小企業振興基本条例の制定に関わられた経験から、なぜ自治体で理念条例が必要なのかをお話いただきました。

 そして震災後の今、中小企業自身が成長発展していく大きな契機であること。地域経済の要としての役割が重要であること。その期待に応えるために、中小企業全体がレベルアップし、疲弊した地域を自分たちが中心となって創っていく。新しいしごとを地域に生み続けていくこと。こうした気概が今必要では、との提起を、阪神淡路大震災から生まれた、新しいしごとづくりに挑戦し続けるアドック神戸やワット神戸の例をもとにお話いただきました。

なぜ今まで一緒にやらなかったのか

例会の様子2
 町から参加した職員の方は、「中小企業経営者の勉強会と聞いて来たら、われわれが日常考えて取り組んでいることそのものだった。なぜ今まで地元経営者と一緒に取り組んでこなかったか不思議です。地域を考える勉強会というと、どうしても農林関係者ばかりになってしまっていた。今日をきっかけに新たな取り組みを始めたい」「自分たちの地域を自分たちでつくる」という意志で進むとき、私の住む村で中小企業振興基本条例を拒むものはないと思う。役場や商工会の若手に声をかけ、早速話し合う機会を持ちたい」という声がありました。

 また会員からは「『憲章や条例』と聞いただけでハードルを高くしていた自分がいた。こんなにも腑に落ちたのははじめて。中でもなぜ岩手同友会が600名を実現しなければならないか、これではっきりとわかった。地域をよくすることは自社をよくすることであり、そのために地域の中小企業全体が肩組み合ってレベルアップしなければ、ことは進まないことが理解できた。全力で会員拡大に取り組みたい」と話す方もあり、岩手の前進への大きなきっかけとなった、復興特別例会となりました。