第15回定時総会 1983年7月6日~7日(宣言)

総会宣言

私たちは“ひろく国民の要求に応えつつ、日本経済を担う中小企業の繁栄を!”をスローガンとして、7月6、7日の両日にわたって第15回総会を開催しました。内外情勢の動向や経営にかかわる諸問題について真剣に論議をかわし、中小企業をとりまく経営環境が1段と厳しくなっている事実を認めざるを得ませんでした。

同友会は、このような厳しい時代がくることを予見し、さまざまな努力を積み重ねて参りました。とりわけ、激動の時代に対応できる保障は“人材”にあると考え、“共同求人”や“社員教育”に力を入れて取り組んできました。本総会においても、記念講演をはじめ、多くの分科会の中で教育の問題が討論され、共に学び合う気風に満ち、新しい時代にふさわしい労使の信頼関係をつくることが、社員教育の基本であることを確認しました。

日本経済と国民生活の真の担い手は中小企業であり、その経営基盤は国民生活と地域の中にあります。従って中小企業の危機は、日本国民と地域住民の危機であると言っても過言ではありません。この現実を考えるとき、「共に育ち合う土壌づくり」とも言うべき同友会の社員教育の理念を、企業経営の範囲のみにとどめておくことはできません。今こそ、地域の人々の暮らしを見つめ、家庭、学校、社会における教育と結合して、“人間が人間として息づく”環境を共に作り上げていかねばなりません。

国民の大多数が働いている中小企業は、これからの時代をになう人間を育てるための“たよれる学校”でもあります。その誇りと自覚をもって、社会的責務をはたすことにより中小企業の繁栄は約束されます。

どんなに厳しい時代になろうとも、この確信をもって、全国1万5千の同友会員が固く団結し、さらに同友の輪をひろげ、従業員と共に日本経済の繁栄と国民生活の向上をめざして、いっそう奮闘することを宣言します。

総会宣言 1983年7月7日
中小企業家同友会全国協議会 第15回定時総会