第32回定時総会 2000年7月13日~14日(宣言)

総会宣言

私たちは、7月13、14日の両日にわたり、「同友会運動の前進で新世紀を切り拓こう!同友会理念を企業と地域のすみずみに」のスローガンを掲げ、第32回定時総会を神戸で開催しました。全国からの参加者1400名は、開催地の兵庫同友会が5年前の大震災の被災から、たくましく立ち上がり、企業の再建と同友会活動再構築の課題を立派になしとげたことを感動的に確認することができました。構造転換と大震災の二重の危機を克服してきた兵庫同友会の経験は、同友会理念の創造的実践として全国の同友会を励ますものです。また、本総会における2日間の学びあいと交流は、激動の20世紀をしめくくり、来るべき21世紀を力強く切り拓く勇気と確信に満ちた内容となりました。

日本経済は最悪期は脱したものの、多くの中小企業は、消費低迷、需要停滞できびしい経営状態がつづいています。先月行われた衆議院選挙は、21世紀の日本の進路を問うものでした。私たちは、国民や中小企業の切実な要望がどれだけ実現するのか、今後の国政の推移をきびしく見ていかなければなりません。

昨年、中同協は設立30周年を迎え、歴史の到達点に立って新しい時代への挑戦を続ける決意を明らかにしました。本総会においては、1年間の実践をふまえて次の4点を確認するものです。

第一に、中同協30年、同友会運動の到達点を各分野にわたって明確にし、次への課題を提起していくことです。とりわけ、歴史の試練を経てその普遍性が実証されてきた同友会理念を、企業経営と同友会活動に生かしきることこそ同友会運動に生命を吹き込み、新世紀への展望を切り拓くものです。

第二に、戦後最大の不況を闘い抜き、強じんな体質の企業づくりを進めてきた会員企業の先進事例に学び、新しい時代をリードする企業像と経営者像を明確にします。そのためには、「効率至上主義」の経営手法の安易な模倣ではなく、社員と共に経営の「社会性、科学性、人間性」を根本から問い直し、21世紀型企業づくりへのさらなる挑戦をつづけます。

第三に、中小企業経営と国民生活の向上、豊かな地域づくりのために、積極的に政策提言し行動します。特に、昨年改正された、中小企業基本法のもとで展開される中小企業施策の内容を重視し、活用しながら改善点を提言します。金融環境がさらにきびしさを増すなかにあって、国民と中小企業・地域に優しい金融システムの創設と当面する金融問題について提言し、他団体との協力も重視して進めていきます。

第四に、同友会が会員はもちろん会外の経営者にとって、また地域社会において、頼りがいのある魅力ある存在となることを目指します。そのために、各同友会が、組識目標を掲げ、組識の拡大と充実を強力に推進し、最高の会勢で21世紀を迎えるべくまい進します。

私たちは、来るべき世紀が、中小企業と国民に真の繁栄をもたらす時代となるよう、同友会理念を企業と地域のすみずみに広げるため、高い志を持って新世紀のとびらを押し開くことを誓い本総会の宣言とします。

総会宣言 2000年7月14日
中小企業家同友会全国協議会 第32回定時総会