第39回定時総会 2007年7月5日~6日(宣言)

総会宣言(全文)

私たちは、7月5、6日の両日にわたり、「同友会創立50周年、歴史に学び中小企業新時代の創造へ」のスローガンを掲げ、中同協第39回定時総会を美しい瀬戸内海を眺望する高松で開催しました。全国47都道府県から参加した1500名の代議員は、熱気あふれる論議と交流を通して、同友会運動の前進で地域社会の発展に力をつくすことを誓いあいました。

日本経済は景気拡大局面にあるといわれ、大企業は史上最高の利益をあげていますが、多くの中小企業にはその実感がありません。大都市と地方都市との格差、地方経済の疲弊は深刻な問題となっています。加えて1億人にかかわる年金問題が浮上し、国民の政治不信が募る中で参議院選挙が行われようとしており、日本の将来を見すえた国民の良識ある判断が強くのぞまれるところです。

本年は、日本中小企業家同友会が誕生し、50周年を迎える記念すべき年です。わずか数十名の先覚者たちが東京で立ち上げた同友会は、半世紀の試練を経て、今やすべての都道府県に3万9000名の会員を擁する組織へと成長することができました。

この歴史の教訓から学ぶべきことは、第1に、「日本経済の真の担い手は中小企業である」との高い自覚と使命感を持ち、絶えず謙虚に学び続けていくことです。第2に、先人たちの豊かな実践と知恵を結集して確立した「同友会3つの目的」の実現をめざし、「自主・民主・連帯」の精神を企業・同友会・社会づくりに生かし、「国民や地域と共に歩む中小企業づくり」に情熱を持って取り組むことです。第3に、中小企業家と地域から寄せられる期待を真摯(しんし)に受け止め、会員が一丸となって同友会を強く大きく発展させていくことです。

私たちは、4年前の福岡での総会以来、国民生活の健全で豊かな発展を支えるために、中小企業・自営業を日本経済の柱と位置付ける中小企業憲章の制定を提唱し、学習運動を進めてきました。並行して中小企業憲章の地域版ともいえる中小企業振興基本条例の制定、見直しを、自治体や他の中小企業団体とも連携し研究、推進してきました。

憲章学習運動と振興条例制定運動は、自社と自社を取りまく環境をみつめることにより、企業と業界、地域と日本のあるべき姿を追求するものとなり、「同友会3つの目的の総合的実践運動」であるとの確信が深まりつつあります。本総会を機に、憲章は学習運動から制定運動へ、そしてさらに多くの同友会で振興条例制定に着手することを呼びかけるものです。

グローバル化の進展は、市場原理主義と利益最優先の風潮を生み出し、各分野で国民の信頼を裏切る企業の不祥事が相次いでいます。このような時代だからこそ、私たちは企業の社会的使命を社員と共に再確認し、理念重視の経営を実践することで、確固たる経営基盤を築かねばなりません。

同友会がめざす企業づくりに確信を深め、学びあい活動をさらに充実させ、対外的発信力を強化し、会内では組織活動支援システムe.doyu等の活用を進めながら、2010年5万名会員をめざして誇り高く歩み続けることを誓い、本総会の総会宣言とします。

2007年7月6日
中小企業家同友会全国協議会第39回定時総会