第40回定時総会 2008年7月10日~11日(宣言)

総会宣言(全文)

 私たちは、7月10、11日の2日間、「人と企業を育て、地域の未来を担う同友会運動を!」のスローガンを掲げ、中同協第40回定時総会を「彩の国」埼玉で開催しました。全国から参加した1400名の代議員は、強じんな体質の企業づくり、地域の期待にこたえる同友会づくりを熱心に議論し、同友会運動への確信を深め、全国の連帯感を高めることができました。

 今、中小企業を取り巻く経営環境は、サブプライムローン問題に端を発した米国の景気後退が世界に波及し、巨大投機マネー等を要因とするエネルギーや原材料価格・穀物価格の高騰など一段と厳しさを増しています。加えて、昨年来の改正建築基準法による建築確認遅延問題は、建設業以外の分野にも深刻な影響を及ぼしています。

 私たちは、経営上の困難に直面しつつも、昨年は日本中小企業家同友会(現東京同友会)創立50周年を記念する年として、同友会運動の原点に立ち返り、学びあい活動を重視し、労使一体となっての経営革新につとめ、同友会の魅力を会外に訴えてきました。その結果、4万1077名という史上最高の会勢で新年度を迎えることができました。この歴史的快挙を全会員の皆さんと喜びあうとともに、ご尽力下さった方々に心から敬意を表するものです。

 最高の会勢に到達した要因は、第1に、「労使見解」の考え方を生かした経営指針の作成と実践が定着し、ゆるぎのない企業づくりを真剣に追求する同友会の存在価値が地域へ着実に広がってきたことです。第2に、中小企業憲章・中小企業振興基本条例の制定運動を提唱し、「豊かな地域づくりを一緒に進めましょう」との同友会の呼びかけに共鳴する企業家が増えてきたことです。第3に、計画的に新しい支部・地区会づくりに着手し、リーダーが増強目標達成に情熱的に取り組み、ブロック内の支援体制も相乗効果を上げたことです。これらの教訓をさらに深め広げ、2010年5万名達成に向けて力強く前進しようではありませんか。

 本年5月には、28名の中同協・中小企業憲章ヨーロッパ視察団を派遣しました。本視察団は、EUの「ヨーロッパ小企業憲章」を成立させたヨーロッパ社会の背景と歴史に学び、「小企業憲章」の成果と今後の課題、中小企業団体の活動についても見聞を広げることができました。同時に、50年の歴史を刻む同友会の理念と運動の普遍性についても検証することができ、今後の憲章制定運動にいっそうはずみがつくものと期待されます。

 来年は、中同協設立40周年を迎えます。設立時の5同友会、640名の組織から、47都道府県すべてに同友会が設立された現在、私たちは歴史に学びながら、同友会運動の理念と使命を再確認すると共に、厳しさを増す経営環境下にあって、会員企業の健全な発展に全力を傾注し、組織の飛躍的前進をはかることを誓いあい、本総会の宣言とします。

2008年7月11日
中小企業家同友会全国協議会第40回定時総会