第50回定時総会 2018年7月5日~6日(議案・採択文・宣言)

議案

採択文集

総会宣言(全文)

 私たちは、7月5・6日の2日間、東日本大震災から復興しようとする宮城県仙台の地で「中同協50周年5万名へ同友会らしい企業づくりの輪を広げ、日本と地域の未来を拓こう!」のスローガンを掲げ、中同協第50回定時総会を開催しました。本総会は、中同協設立50周年に向けた“キックオフ”の位置づけのもと、全国から1,312名の代議員が参加し、全体会と16の分科会で熱い討議のもと議案を検討し採択しました。
 1957年に日本中小企業家同友会(現在の東京中小企業家同友会)が発足し、先人の志高く熱い思いは翌年に大阪へ、続いて愛知、福岡、神奈川へと燎原(りょうげん)の火のように広がり、1969年には全国協議会の設立に至りました。以来、私たちは「日本経済の真の担い手は中小企業である」との自覚と誇りを胸に、1973年に現在の「三つの目的」を策定し、「自主・民主・連帯」の精神にたち、「国民や地域と共に歩む中小企業」をめざす姿勢をもって、それぞれの地域で運動に取り組んできました。
 いま私たちの学びと運動の到達点は、この60年にわたり数多(あまた)の会員経営者が実践を通じて心血を注ぎ築き上げてきた財産です。同友会理念確立までの過程はもとより、経営のあり方を示す「中小企業における労使関係の見解」は1975年の発表まで丁寧に深く検討され、43年後の今日でも通用するものです。私たちは、このように本質を追究する姿勢に学び、引き継いでいかなくてはなりません。
 中同協の50年間を振り返ると、企業づくりでは、厳しい労使紛争の教訓から「中小企業における労使関係の見解」を発表し、それを基礎に1993年には「21世紀型中小企業」像を示しました。経営指針成文化運動の広がりは現在、年間1,500名の修了者を輩出し、採用と教育の活動が人材を地域に残す運動に深まり、外部からの評価も高まりつつあります。
 地域づくりでは、国への政策要望・提言から、「金融アセスメント法」そして「中小企業憲章・中小企業振興基本条例」制定運動にまで発展し、経営環境の改善について提言し行動する力をつけ、さらに中小企業の見地から「日本経済ビジョン」の討議を始めています。
 同友会づくりでは、同友会理念の確立とともにすべての都道府県に会組織が生まれ、会員数はこの9年間連続で最高会勢を更新し、4万6,363名の史上最高の到達点を築いて5万名を展望するまでになりました。会員の中では「同友会運動と企業経営は不離一体」との認識が深まり、運動のパートナーである事務局とともに「三つの目的の総合実践」と位置づけてすすめています。
 2010年、政府は「中小企業憲章」を閣議決定し、冒頭に「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である」と明記しました。日本経済と地域経済・社会の担い手として、また中小企業観の転換のために、私たちの使命はますます重要さを増しています。
 私たちは、これら半世紀の成果に誇りと確信をもち、同友会理念に基づき、同友会らしい経営を実践して、来年度の中同協設立50周年に5万名会員の達成をめざして取り組みます。あわせて、意欲的かつ創造性ある運動を共に広げることを全国の会員皆さんに呼びかけ、本総会の宣言とします。

2018年7月6日
中小企業家同友会全国協議会第50回定時総会