政策・主張

中小企業の危機打開のための緊急政策提言

 昨年来の大不況の中、中小企業経営者は懸命に経営努力を重ねています。年末と年度末を見据えて、資金繰りと確かな仕事の確保に奔走しています。

 中小企業家同友会全国協議会(中小企業経営者4万1000名で構成)は、自助努力を前提として中小企業の立場から政策を提案してきました。8月に政権が交代し、私たちの要望提言が数多く反映されている民主党の政権公約がどのように実行されていくのかを注目しています。また、政府閣僚の方々が中小企業の苦境に関心を寄せ、危機打開の手立てを考え、行動されていることにも大いに励まされます。私たちは、下記の政策対応を要望し、関係各位の格段のご理解とご努力を強く望みます。

(1)「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律案(仮称)」と「条件変更対応保証(仮称)」が検討されているが、中小企業支援の心強い姿勢を歓迎したい。しかし、個別企業が金融機関と貸付条件の変更等を交渉するというスキームでは、貸付条件の変更が実現したとしても返済履歴に瑕疵の記録が残るとともに、問題が先延ばしになり、新規の追加融資が受けられない可能性もあるので、次の代替案を提案したい。借り換えが可能でリスケジュールと同じ効果をもたらす新しい融資制度を創設すること。例えば、民主党の政権公約に「特別信用保証制度の復活」が掲げられているが、第2次安定化特別信用保証制度(貸付期間10年で当初の3年間は金利払いのみとし、上限1億円、100%保証とする)を創設すること。

(2)返済猶予に際し、「利払いが続いていれば不良債権扱いしない」など金融検査マニュアルを改訂する方向にあるが、信用保証協会でも同様の対応を取ること。

(3)業種や存立領域によっては限界にある中小企業も存在する。そのような中小企業の再建や「退出」をスムーズにするセーフティネット制度を検討されたい。民主党の政権公約には、「政府系金融機関の個人保証の撤廃。連帯保証人制度の廃止を含むあり方の検討」が掲げられているが、一定程度の個人保証の免責など第2のチャレンジを可能にする制度とすること。

(4)金融機関が地域で「貸出先がない」現状があり、金融だけでは事態を打開できない。中小企業の仕事づくり、需要創出政策が金融政策とともに総合的に実施される必要がある。金融機関が中小企業の仕事づくり支援や需要創出にかかわることを国と自治体が支援する施策を実施するとともに、そのような取り組みを積極的に評価するシステムが求められる。

(5)前項のように地域の需要創出に金融機関がより積極的にかかわるためには、金融機関に対する評価が「自己資本比率」といった経営指標だけでは不十分である。「地域貢献」や「中小企業貢献」などを評価基準とする金融アセスメント法(地域金融円滑化法)を制定すること。

(6) 中小企業特命担当大臣を設置し、中小企業経営の危機回避のための機敏な施策の実施や各省庁にまたがる中小企業支援策を調整し総合的に実施できる責任と権限を与えること。

以上

2009年10月吉日
中小企業家同友会全国協議会 会長 鋤柄 修

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