政策・主張

2003年度国の政策に対する中小企業家の重点要望・提言

1.新しい内需を喚起し、中小企業を活性化させる景気回復策を

  1. 中小企業が地域で取り組んでいる新規事業、事業転換、グループ化、ネットワーク化などのさまざまな「新しい仕事づくり」――それらは市場としては小さいが市場を深く掘り起こす多種多様な事業であり、地域経済を活性化させ国民生活を豊かにすること、地域雇用を維持し拡大することに結びついている――を有効な景気回復策として位置づけて、積極的に支援すること。
  2. 観光・余暇、教育、医療、安全性など人間の活動能力の発展をはかる社会的ニーズや防災対策、環境保全、高齢化・福祉、地域づくりなど社会生活の中から新しい内需を誘発しようという中小企業を戦略的に支援する地域産業政策を展開されたい。
  3. 中小企業経営の高度化のためには専門的人材の確保やネットワーク化が不可欠であり、産学官の知的人的資源を中小企業がさまざまな形で活用できるシステムが求められている。中小企業と大学・研究機関をつなぐデータベース・ネットワークなど交流・支援インフラの整備に努めること。

2.環境保全・自然再生型の公共事業の拡大と小規模分散型産業の推進

  1. 中小企業が地域で取り組んでいる新規事業、事業転換、グループ化、ネットワーク化などのさまざまな「新しい仕事づくり」――それらは市場としては小さいが市場を深く掘り起こす多種多様な事業であり、地域経済を活性化させ国民生活を豊かにすること、地域雇用を維持し拡大することに結びついている――を有効な景気回復策として位置づけて、積極的に支援すること。
  2. 自然エネルギーや文化的資源など地域の固有資源の産業化・事業化に取り組む中小企業を産官学・金融の連携で支援すること。このような新しい時代の市場創造は、環境保全、地域づくり、人づくりなど多角的な経済的波及効果を期待できる。

3.円滑な資金供給と中小企業・地域に優しい金融システムの構築を

  1. 中小企業・地域が健全かつ社会的に望ましいかたちで存続していくために、日本の金融システムを1)金融機関の公共性を発揮させ、2)金融機関と借り手の取引慣行の歪みを是正し、3)裁量型金融行政を利用者参加型金融行政に転換させるために、「円滑な資金需給」「利用者利便」などの視点から必要な情報を収集して金融機関の活動を評価することを監督官庁に義務づけ、公開する「金融アセスメント制度」を早期に法制化すること。
  2. 金融庁の各金融機関に対する「金融検査マニュアル」は中小企業金融を人為的に不安定化させている。したがって、中小企業向け融資の場合には、金融庁は中小企業の実情に沿った別の基準の「マニュアル」を速やかに作成し、それを適用すること。
  3. ペイオフ解禁は、中小企業にかかわりの深い地域金融機関の預金の流失を促進させ、中小企業への資金パイプを狭めるばかりでなく、地域金融機関の存立を危うくする懸念がある。預金保険法によるペイオフ発動の実効猶予措置を直ちに宣言すること。当面、2003年4月から解禁予定の決済性預金については、景気が回復するまで延期すること。
  4. ペイオフをやむなく実施する場合、ペイオフで手形決済ができなくなる恐れがあるとき、公的金融機関から緊急融資がなされて自動的に決済されるシステム等をとること。地方自治体の公金預金もペイオフの対象となっているが、地域金融機関への公金預金が地元中小企業への貸出原資となっているのが実態であり、自治体による公金預金保護のための資金移動は地域経済の混乱要因となる恐れもある。公金預金、特に制度融資の預託金についてはペイオフからはずし、全額保護すること。
  5. 金融機関の合併・破綻によって生じる取引先中小企業に対する事業資金のパイプを細くすることなく、資金供給の継続を保証する法制化措置を緊急にとること。とりあえずは、同じ融資条件での引き継ぎを確保すること。
  6. 不良債権「早期処理」期間から金融システムが安定するまでの一定期間、返済期間を10年間とするなど「安定化特別保証制度」を利用しやすくした制度融資とは別枠の「緊急特別保証制度」(仮称)を創設すること。
  7. 不良債権早期処理の中小企業への影響を最小限に抑えるため、次の措置をとること。
    1)既に利用している制度融資の返済について、一定の要件のもとで返済猶予期間を延長する措置、又は最大10年まで返済期間の延長措置を認めること。
    2)倒産防止共済制度は、共済金の貸付の償還期間を5年から10年に延長すること。
    3)事業者と金融機関の融資上の取引トラブルを調停あっせんする緊急の窓口・機関を金融庁又は都道府県に設置すること。
    4)中小企業が倒産した場合、個人の最低限の財産保障と再起できる条件を整備するため、破産法の改正など個人保証の有限責任化を進めること。また、「経営者失業保険制度」の創設を検討すること。
  8. 規制緩和で拡大した「少人数私募債」の発行条件を株式会社だけでなく有限会社にも適用するなど拡充すること。また、税制上のメリットも拡充する措置をとること。

4.市場創造と経済再活性化を支える税制

  1. 地方税である法人事業税においては付加価値基準の外形標準課税方式導入の検討が進んでいるが、これは赤字法人のみならず長びく不況下にある多くの中小企業の税負担能力を超えるものである。このままでは社会的な歪みだけでなく、日本経済の活力削減につながるので導入を中止すること。
  2. 日本の税制は個々の特別措置で調整をはかる方式が取られているが、その姿勢を改めて応能負担原則を税制の基本部分で貫くこと。とくに法人税は応能負担原則に基づいて累進的多段階の税率――所得1500万円まで15%(資本金1億円未満)、所得5000万円まで25%、所得5億円まで34.5%、所得5億円以上40%――に変更すること。
  3. 中小企業の事業承継については、1)相続税の基礎控除額を大幅に引き上げること、2)事業用資産については、事業を継承するという条件の下で事業承継猶予制度を設けて10年以上事業を継承した場合一定額を免除すること、3)自社株に対する相続税を軽減する制度が創設されたが、今後自社株式評価には企業の利益水準をベースにした収益還元方式による評価方法を導入すること。
  4. 固定資産税を非現実的な地価公示価格に連動させることから、税負担能力に対応した収益還元による評価方式に改めること。
  5. 景況の低迷、金融不安・雇用不安が進行している中、最終需要の6割を占める個人消費を回復させることが景気回復には不可欠である。個人消費の回復まで、消費税減税や応能負担原則に基づく所得税減税を実施すること。

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