調査・研究

下げ止まるも先行きの不安材料山積
DOR71号(2005年4−6月期景況調査)速報

 DOR4-6月期調査では、4-6月期の業況判断DI(「好転」−「悪化」割合)は1-3月期の△7から△7へと水面下ではあるが横ばいで推移した。建設業と流通・商業は1-3月期に比べ改善をみせたが、製造業、サービス業での4-6月期の後退が改善を相殺しているのである。これで2004年10-12月期から下降してきた中小企業景気は、ここにきて下げ止まりの様相を見せたことになる。さらに、7-9月期には△2、10-12月期は2へと上向きの予想がなされているが、原油高・素材価格等の仕入れ価格高・増税・アメリカ経済や中国経済の動向の不透明感など、景気の先行きに不安定な材料が横たわっていることを見落としてはならないだろう。

 4-6月期の業況判断DIを業種別にみるとアンバランスがあるものの、いずれも水面下にある。地域別では、プラスは中国・四国の3だけであり、北陸・中部が△6から△3へとマイナス幅を縮めている。一方、前期唯一プラスだった関東は2→△4とマイナスに転じた。北海道・東北(△20)、九州・沖縄(△11)はマイナス幅が2桁を記録するなど深刻な状態が継続している。しかし、7-9月期には北海道・東北、関東、近畿をのぞいて、プラスに転化すると予測されている。企業規模別では100人以上(7→8)と50人以上100人未満(△9→1)がプラスだが、ほかの規模はマイナスである(とくに、20人以上50人未満は2桁のマイナスを継続)。

 売上高DI(「増加」−「減少」割合) は、△1から2へと再びプラスへ。マイナスは一期だけにとどまった。業種別にはサービス業が前期比3ポイント悪化したのを除けば、プラスとなり、なかでも流通・商業は5とプラス幅を広げている。建設業のプラスは96年10−12月以来のことであるが、次期にはまた△5とマイナスに転化する見込み。

 経常利益DI(「増加」−「減少」割合)は、2004年の4−6月期の△2 から3期にわたってマイナス幅を拡大させ△11まで下降したが、今期は△6と戻している。これには、製造業サービス業以外の3業種の改善が影響している。次期は△1まで改善すると見込まれている。仕入単価DI(「上昇」−「下降」割合)は、今期を含め3期連続して30台と高止まりで推移した。なかでも製造業では55と4期にわたって50台と異常な状態にある。

 設備投資実施割合は4-6月期34.2%と1年前の水準に戻ったが、設備不足感(「不足」−「過剰」割合)は11.8%とかなり高めになっている。業種別では流通・商業が37.0%と最も高くなっている。設備投資の実施内容では、事業所・店舗・倉庫への投資が高くなっている。設備投資の次期計画割合は33.8%と3割を超す水準で推移するとされる。

 正規従業員数DI(「増加」−「減少」割合)が9、臨時・パート・アルバイトDI(同上)も9と、ともに増加傾向にあるが、所定外労働時間DI(同上)は4→△4へと下降した。人手の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)は、△2と不足感が大きく緩和している。しかし、経営上の力点では、「人材確保」が1−3月期に引き続いて21.5%となっている。

*本文中特に断りのない限り、業況水準以外は前年同期比
*詳細は7月30日発行のDOR71号をご覧下さい

[調査要領]
調査時   2005年6月5〜15日
対象企業  中小企業家同友会会員
調査の方法 郵送により自計記入を求めた
回答企業数 2,382社より985社の回答をえた(回答率41.3%)
(建設177社、製造業304社、流通・商業333社、サービス業168社)
平均従業員数  役員を含む正規従業員数   42.8人
臨時・パート・アルバイトの数 35.1人

PDF資料はこちら(PDF 621KB)

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