調査・研究

景気持ち直すも持続性に不安
DOR72号(2005年7−9月期景況調査)速報

 DOR7−9月期調査では、2004年10-12月期より下降し始め05年4−6月期に下げ止まった中小企業の景気は好転ヘと変化している。しかし、地域別業況感の格差や、経常利益が未だ水面下にあるなど、景気の持続性についての不安感はぬぐえない。

 7-9月期の業況判断DI(「好転」−「悪化」割合)は、建設業で96年の7-9月期以来のプラス値を記録したばかりでなく、全業種でプラスへ、すなわち、△7から4へとプラスの業況判断を示すに至っている。さらに10-12月期には6とプラス幅をさらに拡大させると見込まれている。

 業種別では業種間格差が一気に縮まり、3(流通・商業)から6(製造業)の間に収まっている。それには、建設業(△11→4)のプラスへの転化が大きい。地域別では北海道・東北を除いた地域がいずれもプラスに転じた。なかでも、関東と北陸・中部、九州・沖縄では2桁のプラスとなっている。それだけに北海道・東北(△10)の低迷ぶりは深刻である。しかも10-12月期の見通しでも北海道・東北は△13と悪化を予想、九州・沖縄が4-6月期の△11→10→17と急激な回復及び予測をしているのと対照的である。関東、北陸・中部が10-12月期はプラス幅を縮小するのに対し、近畿、中国・四国、九州・沖縄ではプラス幅を広げるという予測がなされている。また、今期の企業規模別では全ての規模層で、プラスとなっている。これは96年4-6月期以来のことで、20人未満規模層でプラスになったことによる。しかも10-12月期もいずれの規模層でもプラスを維持すると予測されている。

 業況水準DI(「良い」−「悪い」割合)は4-6月期の△17から大幅に改善して7-9月期は△3となった。しかし、まだマイナスの水準に止まっている。ただし、4-6月期は全ての業種がマイナスであったが、今期は製造業(7)が3期ぶりにプラスとなった。10-12月期は製造業(12)に加え、さらに流通・商業(4)もプラスに転化、全業種でプラスになるものと見られている。

 売上高DI(「増加」−「減少」割合) は、2→6へとプラス幅を拡大させている。売上高DIでも全業種がプラスに転じた。なかでもサービス業(△5→5)が10ポイントと大幅に好転したのが大きい。10−12月期は10が予測され、全ての業種でプラス幅の増大が予測されている。

 経常利益DI(「増加」−「減少」割合)は、4−6月期以降改善方向にあるものの△3といまだ水面下にある。しかしサービス業では96年1-3月期以来のプラスに転ずるなど、建設業を除いて好転方向に向かっている。10-12月期予測では建設業を除いてプラスを予測し、全業種でもプラスになるものと見られる。

 素材価格は高止まりをみせ、仕入単価DI(「上昇」−「下降」割合)は、今期も30と大台に乗っている。なかでも製造業では51と5期にわたって50台にある。

 設備投資実施割合は7-9月期37.1%と91年10-12月期以来の高い実施割合となった。次期計画割合も30.8%と設備投資意欲は衰えていない。

 正規従業員数DI(「増加」−「減少」割合)は7、臨時・パート・アルバイトDI(同上)も9と、ともに従業員は増加傾向にある。人手の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)は△14と不足感が増大し、設備の過不足感DIも△11と2ケタの不足感をキープしている。経営上の問題点でも人手不足の比率が上がりだし、経営上の力点では、「社員教育」の割合が徐々に高まっている。

*本文中特に断りのない限り、業況水準以外は前年同期比
*詳細は10月30日発行のDOR72号をご覧下さい

[調査要領]
調査時   2005年9月5〜15日
対象企業  中小企業家同友会会員
調査の方法 郵送により自計記入を求めた
回答企業数 2,411社より971社の回答をえた(回答率40.3%)
(建設172社、製造業307社、流通・商業318社、サービス業170社)
平均従業員数  役員を含む正規従業員数   37.4人
臨時・パート・アルバイトの数 31.9人

PDF資料はこちら(PDF 598KB)

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