調査・研究

景気上昇続くも格差広がり浮揚力は弱い
DOR73号(2005年10−12月期景況調査)速報

 DOR2005年10-12月期調査では、7-9月期に再びプラスに転じた中小企業の景気は製造業の好調さが全体を牽引したことから、さらに好転幅を広げている(4→5)。しかし、業種間、地域間、規模間の業況感格差は広がるなどまだら模様が際だち、2006年前半における景気は持続性も浮揚力も力強さに乏しい。さらに、原油価格の高止まりやミニバブルの反動など不安性も見落とせない状態である。

 業況判断DI(「好転」−「悪化」割合)では、建設業で7-9月期にプラス4と久しぶりに水面上にでたが、今期はプラス幅を縮め1となった。流通・商業は7-9月期の3から一転して△3となった。今期景気を引っ張ったのは製造業で7-9月期に6と好転したのに続いて今期はさらに15と好転に勢いがついたが、この勢いは先行き続かないと予測されている。サービス業(5→12)も同様の傾向である。地域別では7-9月期に続き、北海道・東北を除いた地域はプラスを維持している。なかでも、関東、北陸・中部と中国・四国では2桁のプラスとなっている。それだけに北海道・東北(△10→△13)のマイナス2桁の低迷ぶりは深刻である。しかも2006年1-3月期の見通しでは北海道・東北は△15とさらなる悪化を予想。九州・沖縄も7-9月期の10から1へと落ち込んだので、好調だったのは1期に止まった。2006年1-3月期の見通しでは関東、北陸・中部、近畿がプラス幅を拡大させるとみられているのに対し、北海道・東北、中国・四国、九州・沖縄では後退が予測されている。業種別、地域別で見る限り、今後さらに格差が広がる可能性が高い。企業規模別では今期は、7-9月期に続き全ての規模層でプラスを維持したものの、20人未満規模層と50人以上100人未満層ではプラス幅を縮めて0に近づいた。今期は100人以上層が2から27へと急角度で上昇し、今年前半も2桁を維持しそうな見込みである。ただし、20人未満規模層は先行きマイナスに落ち込む予想が出ている。

 設備投資は7-9月期37.1%と「35%」の壁を突破したが、今期も前期より若干落ちたが、36.8%と高水準を維持している。業種別では製造業(41.2%)、サービス業(40.0%)と4割台を7-9月期に続いてキープしていることが全体の水準を引き上げている。実施内容では製造業では機器設備(69.4%)、サービス業では情報化設備(29.6%)と機器設備(29.6%)の比率が高くなっている。

 経営上の問題点では「従業員の不足」(10.4→11.4%)、「熟練技術者の確保難」(13.4→14.7%)と人手についての問題点を挙げる声がこのところ少しずつ上昇を続けている。特にサービス業で「従業員の不足」が11.4%から19.3%へと急上昇した。これは、1992年10-12月期以来の水準である。労働力不足は緩やかながら深刻さを増す方向へと変化しているとみられる。

 経営上の力点では、「人材確保」が23.8%と高い水準となった。4業種とも20%以上の比率を占めたからである。また合わせて「社員教育」も30%台後半で推移している。このように、人を確保して教育するということが、現在の中小企業の大きな経営課題となっていることが伺える。

*本文中特に断りのない限り、業況水準以外は前年同期比
*詳細は1月30日発行のDOR72号をご覧下さい

[調査要領]
調査時   2005年12月5〜15日
対象企業  中小企業家同友会会員
調査の方法 郵送により自計記入を求めた
回答企業数 2,389社より913社の回答をえた(回答率38.23%)
(建設165社、製造業287社、流通・商業298社、サービス業157社)
平均従業員数  役員を含む正規従業員数   41.5人
臨時・パート・アルバイトの数 36.8人

PDF資料はこちら(PDF 445KB)

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