調査・研究

大枠では横ばい、首都圏独歩高
DOR76号(2006年7−9月期景況調査)速報

 DOR2006年7-9月期調査では、業況判断DI(「好転」−「悪化」割合)は引き続き少しだけ改善し、4-6月期の△1から0となった。今期の小改善はサービス業のプラスに依るところが大きい。しかし地域的にみれば、首都圏の好調さに比べ北海道・東北、九州・沖縄の歩みは遅く依然としてマイナス2桁周辺にあり、地域間格差はいまだ著しい。2002年1-3月期を底に多少の凸凹を繰り返しながらも中小企業景気は緩やかに上昇しているが、大企業と比べると横ばい基調を脱し得ていない。

 業況判断DIを業種別に見ると、サービス業が4とプラスに戻った一方で製造業はプラスではあるが2とプラス幅を縮小、流通・商業、建設業は改善しつつあるもののマイナスから脱却できないでいる。地域別では首都圏の一極集中高がはっきりしてきた。関東は4-6月期の13→7-9月期は15とさらにプラス幅を伸ばしている。北陸・中部(6→4)、近畿(4→4)は好調さを維持、北海道・東北(△11→△10)、中国・四国(△3→△2)、九州・沖縄(△14→△9)は改善の方向性ではあるも水面下にある。地域間格差は縮まってはいない。企業規模別では、1-3月期の50人規模を境に業況判断の明暗がくっきりあらわる状況から、7-9月期には20人以上規模が境界となった。すなわち、マイナス幅を示したのは20人未満だけ(△4)となっているのである。来期10-12月期見通しは、業種別で建設業、地域別で北海道・東北を除き、企業規模別ではすべての階層でプラスになるとされ、全体では6と好転の見込みである。

 売上高DI(「増加」−「減少」割合)は、4-6月期横ばいで推移した0が今期5と力強さが増してきた。業種別では建設業だけ△13→△13と低迷しているほかはプラス幅を拡大させている。地域別では改善はみながらもマイナスにとどまっている北海道・東北(△14→△6)、マイナス幅を拡大した九州・沖縄(△3→△12)の他はマイナスからプラスに転じるか、プラスを維持している。

 経常利益判断DI(「増加」−「減少」割合)は、4-6月期の△5から△6と若干減少した。製造業も4-6の1は△3に転落、サービス業のみ1とプラスを示した。原材料・仕入れ価格の高止まりに加え、人件費の高騰、外注費の高騰、金利の上昇がみられたので、売上高が伸びても利益を圧迫しているのである。

 金融の動向ではゼロ金利政策の解除を受け、借入金利DI(前期比)は長期・短期ともに上昇を示し、短期は6→36、長期では9→35と大幅なプラス幅となった。

 設備投資は実施割合が(36.3%→34.9%)と僅かに減少したが、35%を数%上下するというここ数年来の範囲内にとどまる。一方、設備の過不足感(「過剰」−「不足」)は4-6月期の上昇から再び低下(△10→△14)したので、設備の不足感が継続していることがみてとれる。

 人手に関するDIでは、正規従業員数DI(「増加」−「減少」割合)は2004年以来傾向的に増加傾向にあり、7−9月期は7となった。人手の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)は△18となり、建設業(△26)、製造業(△19)、サービス業(△28)で不足感が強まっている。

 経営上の問題点で、4-6月期に比べ目立って上昇したの「仕入単価の上昇」(31.9%→35.1%)、「仕入れ先からの値上げ要請」(12.1%→15.0%)、「熟練技術者の確保難」(11.8%→12.5%)、「金利負担の増加」(2.6%→8.4%)があげられる。経営環境の変化の兆しが伺えよう。経営上の力点では、1993年4−6月期の経営上の力点調査開始以来初めて「付加価値の増加」が50.1%と50%を超えた。売上高が伸びても利益に結びつかない、原材料価格の高止まりのなかでの経営努力の方向性を示唆するものとして、はっきりしてきたとみてよいであろう。

*本文中特に断りのない限り、業況水準以外は前年同期比
*詳細は10月31日発行のDOR76号をご覧下さい

[調査要領]
調査時   2006年9月5〜15日
対象企業  中小企業家同友会会員
調査の方法 郵送により自計記入を求めた
回答企業数 2,402社より1,001社の回答をえた(回答率41.7%)
(建設169社、製造業315社、流通・商業336社、サービス業176社)
平均従業員数  役員を含む正規従業員数   40.8人
臨時・パート・アルバイトの数 43.6人

PDF資料はこちら(PDF 449KB)

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