調査・研究

2007年の始まりは下方転換の兆しあり
DOR77号(2006年10−12月期景況調査)速報

 DOR2006年10-12月期調査では、業況判断DI(「好転」−「悪化」割合)は7-9月期の0から改善し、3となった。今期の好転は製造業が2→13と大きく改善したことに引きずられた格好である。しかし建設業(△8→△8)、流通・商業(△1→△3)はマイナスを引きずったままで、業種間の格差は広がっている。地域別にみれば、東北・北海道の2桁台のマイナス値を除けば他の地域はプラス値に好転または維持し、規模別では50人以上100人未満層のマイナス値への悪化を除いて、プラス値に好転またはプラス値を維持している。しかし同業種の中でも好転業種と悪化業種が入り乱れ、地域でもさらに細かくみれば、好転地域と悪化地域が分離している様子がうかがえる。また、2007年1-3月は0、4-6月期は△1と再悪化、2007年の始まりから下方へ転換する見通しとなっている。業況水準DI(「良い」−「悪い」割合)でも、△3.2から△10.5へと一層厳しい見通しである。中小企業の懸命な企業努力によって売上高を伸ばしているが、そのことが企業利益にストレートには結びつかないというジレンマと先行きの不透明さから、経営の舵取りはますます難しくなっている状況が読み取れる。

 売上高DI(「増加」−「減少」割合)DIは8となった。7-9月期と比べ、建設業が水面下とはいえ改善を見せ、サービス業でプラス幅を減少させたほかは、売上高を増加させている。地域別では北海道・東北で水面下での改善、関東でプラス値を減少させたほかは売上高を増加させた企業割合を高めている。規模別では50人以上100人未満層でプラス値を減少させているほかは売上高増加割合を伸ばしている。しかも4期ぶりで全ての階層でプラスとなった。

 経常利益判断DI(「好転」−「悪化」割合)は、2001年10-12月期の△29を底にその後一進一退を繰り返しながら傾向としては改善傾向を示し、今10-12月期は△1となった。建設業のみは未だ△15とマイナス2桁台にあるが、他の業種では今期水面上に出ている。製造業、流通・商業、サービス業がそろってプラス値となったのは、1991年4-6月期のバブル崩壊直前の時期以来のことではあるが、建設業のマイナスが全体の足を引っ張っている。しかしさらに細かくみれば、経常利益でも地域、業種、規模によって、その様相はまだら模様が鮮明になっている。また2007年1-3月期は△2となる見通しである。

 金融の動向では借入金利DI(前期比)は長期・短期ともに7-9月期以来の上昇(短期は36→40、長期では35→35)が継続していることを示されている。設備投資は実施割合が(34.9%→35.1)と僅かに増加し、設備の過不足感DIも△14.3%→△16.1%と、設備の不足感の高まりがみてとれる。しかし、金利の上昇が続くと設備投資意欲を押し下げかねない。

 人手に関するDIでは、人手の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)は△20と、2003年の後半から不足感は傾向的に高まりを見せている。

 経営上の問題点で、「従業員の不足」は15.5%と1992年7-9月期の水準に達した。それとともに「人件費の増加」も徐々にその割合を高め15.9%となっている。経営上の力点では、「社員教育」(40.2%)が2006年に入り4期連続して40%台を記録したほか、「人材確保」(26.3%)は1993年4-6月期の経営上の力点調査開始以来の高い比率を示した。7-9月期に50%を超えた「付加価値の増加」は49.5%と依然高い比率を保っている。付加価値形成の源泉になる「人」の問題が経営上の課題として、ますます鮮明に浮かび上がってきている。

*本文中特に断りのない限り、業況水準以外は前年同期比
*詳細は1月31日発行のDOR77号をご覧下さい

[調査要領]
調査時   2006年12月5〜15日
対象企業  中小企業家同友会会員
調査の方法 郵送により自計記入を求めた
回答企業数 2,421社より939社の回答をえた(回答率38.8%)
(建設162社、製造業298社、流通・商業314社、サービス業155社)
平均従業員数  役員を含む正規従業員数   37.0人
臨時・パート・アルバイトの数 36.1人

PDF資料はこちら(PDF 456KB)

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