調査・研究

中小企業景気の下方傾向、より明確に
DOR78号(2007年1−3月期景況調査)速報

 DOR2007年1−3月期調査では、業況判断DI(「好転」−「悪化」割合)が2006年10-12月期の3から再び下降して、△2となった。今期の後退は流通・商業(△3→1)を除く3業種で大きく悪化したことによる。とくに、製造業(13→2)、サービス業(9→△3)の下降幅が大きい。建設業(△9→△13)は水面下でさらにマイナス幅を大きくした。前回「2007年の始まりは下方転換の兆しあり」とした予測が的中してしまった。地域別では北海道・東北の2桁台のマイナス値を除けば他の地域はプラス値ないしゼロ水準付近にある。北海道の景気の悪さが目立つ。規模別では50人未満層がマイナスとなったが、50人以上層でプラス(100人以上では2桁のプラス値)と規模による格差がはっきりしている。日銀短観でも10→8(全規模、全産業)、13→10(中堅企業)、1→0(中小企業)と後退したが、DORの業況水準DI(「良い」−「悪い」割合)でも△3→△11と大きく下方に向かっている。

 2007年4-6月の業況判断DIは1、7-9月期は△1と再悪化を見通し、2007年前半期から後半にかけて緩やかに下降していくものと見られる。この半年間売上高を伸ばすことで、辛うじて採算を保ってきたが、懸命な企業努力も息切れ模様となってきた様子がうかがえる。

 売上高DI(「増加」−「減少」割合)は8→0と反転した。2006年10-12月期と比べると全業種で減少傾向を見せた。とくに、建設業(△6→△12)、北海道・東北(△5→△12)の落ち込みが大きく、全体を下降させる役割を果たしている。前回、規模別では4期ぶりに全ての階層でプラスとなったが、1-3月期は20人未満層で6→△7と急落する一方、下がったとはいえ100人以上が25を維持、売上高でも企業階層別の格差が明確にあらわれる形となった。

 経常利益判断DI(「好転」−「悪化」割合)は、2001年10-12月期の△29を底に改善基調で推移してきたが、2007年1-3月期は△7と反転した。2006年10-12月期のマイナスは建設業だけであったが、1-3月期はすべての業種でマイナスとなった。これでは景況が良いわけはない。地域別でも関東がマイナスでもその幅を縮めた以外はすべての地域で下降、マイナスを拡大ないしマイナスに再突入した。規模別でも100人以上規模層でプラス幅を拡大した以外はすべてマイナス値となって、規模による企業格差がさらに強まったことが示された。

 金融の動向では借入金利DI(前期比)は長期・短期ともに2006年7-9月期に急上昇した後高止まりしているだけでなく、借入難度DI(長期・短期、前年同期比)も水面下で困難度が上昇している。設備投資は実施割合が(35.1%→33.6%)と35%以下に減少した。売上高DIの下降と相関した動きと推測される。

 人手に関するDIでは、正規従業員数DI(「増加」−「減少」割合)、非正規従業員数DI(「増加」−「減少」割合)、所定外労働時間(「増加」−「減少」割合)のいずれも変化方向は下向きとなった。しかし人手の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)は△20と前期と同じく横ばいで、人手の不足感は高まったまま歯止めはかかっていない。

 経営上の問題点では、仕入れ価格の上昇が高止まりを見せる一方、「従業員の不足」は16.0%とバブル期並みの水準に達した。経営上の力点では、「付加価値の増大」(50.0%)が過半となり2006年7-9月期に続いて高い比率を示した。付加価値形成の源泉となる「人」の問題が引き続き経営上の課題として、クローズアップされていることを示している。

*本文中特に断りのない限り、業況水準以外は前年同期比
*詳細は4月30日発行のDOR78号をご覧下さい

[調査要領]
調査時   2007年3月5〜15日
対象企業  中小企業家同友会会員
調査の方法 郵送により自計記入を求めた
回答企業数 2,407社より941社の回答をえた(回答率39.1%)
(建設161社、製造業303社、流通・商業316社、サービス業155社)
平均従業員数  役員を含む正規従業員数   40.1人
臨時・パート・アルバイトの数 32.1人

PDF資料はこちら(PDF 890KB)

 

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