調査・研究

中小企業はミニ不況の兆し
DOR79号(2007年4−6月期景況調査)速報

 DOR2007年4-6月期調査では、業況判断DI(「好転」−「悪化」割合)はさらに悪化し、1-3月期の△2から△8となった。この悪化には製造業(2→△6)、流通・商業(1→△7)の果たした役割が大きい。地域間、規模間での格差も縮まる気配はない。とりわけ1−3月期のマイナスは北海道・東北だけであったが、今期は関東を除くすべての地域でマイナスとなった。とくにこの3年半あまり景気を牽引してきた北陸・中部(△4)のマイナスへの転化が大きい。中小企業景気の下方傾向はさらに深刻度を増してきた。

 業況判断DIを業種別に見ると、2年ぶりに4業種すべてでマイナスとなった。建設業のみ△14と2ケタのマイナスであるが、残る3業種もマイナス1ケタ台に戻っている。7−9月期の見通しでは製造業、流通・商業でマイナス幅を縮小するとの予想となっている。地域別では関東(2→5)のみプラスで、他地域ではマイナスとなった。北海道(△16→△20)は10期ぶりにマイナス20台に落ち込んだ。地域間格差はますます広がっている。企業規模別では、50人以上100人未満(3→1)、100人以上(23→16)と50人以上層でプラス、20人未満(△2→△8)、20人以上50人未満(△5→△18)と50人未満層ではマイナス幅を大きく広げている。50人を境に規模による格差が明瞭にあらわれている。

 売上高DI(「増加」−「減少」割合)は、2005年1−3月期の△1以来10期ぶりにマイナスとなり、今期は△6となった。1−3月期は建設業のみマイナスであったが、建設業(△12→△15)のほか、製造業(4→△6)、流通・商業(3→△6)がマイナスの陣営に加わった。サービス業(1→3)は辛うじてプラスを保っているものの、推進力は弱い。地域別でみると関東(2→10)が頭抜けて好調のほか、他の5地域はすべてマイナスであり、とくに北海道・東北がマイナス幅を広げている。

 経常利益判断DI(「増加」−「減少」割合)は、1-3月期の△7から△15と売上DIの悪化以上の悪化を見た。仕入単価DI(「上昇」−「下降」割合)の上昇はさらに進み(45→50)、売上単価DI(「上昇」−「下降」割合)の下降も下降幅は縮小したもののなかなか止まらない(△8→△3)。こうしてみると価格競争も限界に来て、いささかの売上増で何とかしのいできた中小企業も、ここに来ていよいよ経営に対する危機感の深刻度が増してきた。

 金融の動向ではゼロ金利政策の解除を期に一気に上がった金利はさらに上昇する気配である。すなわち借入金利DI(「上昇」−「低下」割合、前期比)は長期・短期ともに上昇を示し、短期は39→44、長期では34→38と双方ともバブル期最後の金利DIに近づきつつある。

 設備投資は1-3月期33.6%と、30%台前半であったが、4-6月期も33.7で変わらない。だが、次期計画割合は28.5%、次々期計画割合は18.1%と投資意欲は急激にしぼんでいることが伺える。実施目的も維持補修の比率が高い。設備の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)も1-3月期の△15→△13と先行きには慎重感が見られる。

 経営上の問題点では「仕入単価の上昇」(35.7%)が調査開始以来の水準を記録。「人件費の増加」(17.2%)も2002年を底に徐々にその比率を上昇させている。

 経営上の力点では、「社員教育」は40.5%と40%台を記録した。とりわけサービス業でこの傾向が強い(48.4%)。「人材の確保」も徐々にその比率を高めてきている。人材確保が難しくなりつつあるなか既存・新規を含め社員教育がますます重要になっている。

*本文中特に断りのない限り、業況水準以外は前年同期比
*詳細は7月31日発行のDOR79号をご覧下さい

[調査要領]
調査時   2007年6月5〜15日
対象企業  中小企業家同友会会員
調査の方法 郵送により自計記入を求めた
回答企業数 2,395社より974社の回答をえた(回答率40.7%)
(建設174社、製造業294社、流通・商業334社、サービス業161社)
平均従業員数  役員を含む正規従業員数   39.6人
臨時・パート・アルバイトの数 36.3人

PDF資料はこちら(PDF 1113KB)

 

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