調査・研究

原材料・資材価格の高騰、全面不況を呼ぶ
DOR82号(2008年1−3月期景況調査)速報

 DOR2008年1-3月期調査では、業況判断DI(「好転」−「悪化」割合)は2007年10-12月期の△14から△22へと大きく後退した。全業種マイナス2桁台への下降である。中でも建設業(△28→△38)は確認申請の遅延問題に資材高騰の影響が一気に業績の低下が進んだ。前回不況の最悪期(2001年当時)の水準に早くも並ぶところとなっている。その他、製造業△5→△13、流通・商業△18→△23、サービス業△2→△23と大きく低下が進み、全ての業種でマイナス2桁台への下降となった。

 地域別では関東(△4→△6)、北海道・東北(△35→△29)のほぼ前期並みを除くと、北陸・中部(△7→△22)、近畿(△7→△34)、中国・四国(△21→△25)、九州・沖縄(△5→△19)とすべての地域でマイナス幅を大きくした。規模別では100人以下の規模ですべてマイナスとなり、とりわけ50人未満層での低下が大きい(△25)。また、100人以上でもプラスの側にあるとはいえ、15→4と10ポイント以上の低下となっている。

 売上高DI(「増加」−「減少」割合)においても△8→△14とマイナスが大幅に拡大した。建設業では10-12月期、若干持ち直したようにみえたが、今期は△32と大幅な悪化を示した。サービス業でも7→△14と大幅に低下し、製造業の0を除く全ての業種でマイナス2ケタ台となっている。地域別では関東の0を除く全ての地域でマイナスとなった。特に北海道・東北(△25)、近畿(△20)のマイナスが大きい。規模別では100以上でプラスを保っているものの、100人未満ではすべてマイナスとなり、とりわけ50人未満での低下が大きい。経常利益判断DI(「増加」−「減少」割合)は、2期連続で悪化が進み(△17→△22)、全ての業種で2ケタ台のマイナスとなっている。とりわけ建設業(△28)、流通・商業(△25)のマイナスが大きい。

  こうした急激な後退の背後にあるのが原油高をはじめとする仕入れ価格の高騰であり、今回これがさらに進行し、中小企業の経営を圧迫するところとなった。さらに、これらに加え、4月から各種の値上げが進行するところとなり、中小企業経営に深刻な打撃を与えかねない状況にある。価格高騰は仕入単価DI(「上昇」−「下降」割合)の上昇となって表れ、今回は68と過去最高になった。バブル期後半の91年1-3月期に59を付けて以来である。なかでも製造業(80)、建設業(74)で極端な上昇となっており、原材料価格、資材の価格の上昇が製造業を押しつぶしかねない状況にある。一方、売上・客単価DI(「上昇」−「下降」割合)は1とプラスになったものの、仕入れ価格の高騰に見合う改定はなされておらず、仕入単価DIと売上・客単価DIの差はさらに広がる結果となった。その差は実に67である。大変な数字である。

  金融の動向では急上昇した金利DIは、2007年7-9月期をピークに沈静化を示しているが、一部に貸し控え、あるいは貸し渋りに近い状況が進行しているとの報告もあり、そうしたことも反映してか、資金繰りDI(「余裕あり」−「窮屈」割合)は2007年10-12月に窮屈超過に転じ、さらにそれが増す結果になっている(△3→△8)。労働力については、人手は欲しいものの(人手過不足感DI=△10)先行き不透明感から正規従業員DI(「増加」−「減少」割合)が0、臨時・パート・アルバイトDI(同)が1と雇用には積極的になれない状況にある。設備投資の実施割合は辛うじて30%台を保っているものの、設備の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)は△11と見通しの悪さから設備投資に逡巡している様子を垣間見ることができる。

  経営上の問題点では、「仕入単価の上昇」(49.1%)が、「同業者相互の価格競争の激化」(48.6%)をはじめて超え、トップに立った。原材料、資材の高騰が中小企業経営を圧迫しているということである。こうして、中小企業経営にとっては、建築確認申請の遅延問題、原材料、資材の高騰、さらにはサブプライムローン問題の波及を含め、経営の舵取りがますます難しくなってきている。

*本文中特に断りのない限り、業況水準以外は前年同期比
*詳細は2008年4月30日発行のDOR82号をご覧下さい

[調査要領]
調査時   2008年3月5〜15 日
対象企業  中小企業家同友会会員
調査の方法 郵送により自計記入を求めた
回答企業数 2,237社より901社の回答をえた(回答率40.3%)
(建設156社、製造業282社、流通・商業303社、サービス業154社)
平均従業員数 役員を含む正規従業員数 37.4人
臨時・パート・アルバイトの数 42.0人

PDF資料はこちら(PDF 423KB)

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