調査・研究

駆け込み反動減から2011年初、景況悪化
DOR93号(2010年10〜12月期景況調査)速報

 2010年10〜12月期の景況は、業況判断DIで見ると引き続き改善を見せ、水面を超えた(+3)。業況判断の内訳で「好転」(35.4%)、「悪化」(32.0%)と「好転」が「悪化」を上回った結果である。この間景況を牽引してきた業種では製造業、規模では100人以上で大きく後退という異変も見られる。次期見通しは全業種で再悪化を予想している。売上、採算DIに比べ、業況水準DIの改善が遅れており、先行きについて楽観できない要因となっている。家電エコポイント半減、エコカー補助金の終了を控えた駆け込み需要で「空前の売り上げ」も、年明け以降は停滞を余儀なくされる。政策で大きく揺れる景気に歯止めがかからない。

 2010年10〜12月期の業況判断DI(「好転」―「悪化」割合)は2010年7〜9月期に比べ3ポイント好転し+3と水面を超えた。2010年1〜3月期に水面に達していた製造業に続いて、流通・商業とサービス業が水面を超えてきた。しかし業況水準DI(「良い」−「悪い」割合)は△18→△11と改善しているものの依然マイナスの側に留まり、売上、業況、採算各DIと比べても回復は遅れている。業況判断を業種別に見ると、建設業(△15→△10)、製造業(16→10)、流通・商業(△9→1)、サービス業(△1→7)と先にプラス側に転じていた製造業の悪化が気になる。さらに、次期見通しは建設業(△10→△19)、製造業(10→△5)、流通・商業(1→△9)、サービス業(7→△10)といずれも再悪化を予想している。

 地域別の業況判断DIでは、北海道・東北(△8→△15)と九州・沖縄(△10→△11)で再悪化が見られる。規模別業況判断DIでは、20人未満(△6→△1)、20人以上50人未満(△1→6)が改善を見せた一方で、これまで急回復を見せていた50人以上100人未満(11→10)、100人以上(22→4)が悪化しており、さらに次期は全規模で悪化を見込んでいる。

 売上高DI(「増加」−「減少」割合)は1→4と引き続き回復している。流通・商業(△7→3)、サービス業(5→9)は改善しているが、建設業(△14→△14)、製造業(13→10)は足踏みと業種ごとにばらつきがある。地域別では北海道・東北(△6→△16)、九州・沖縄(△12→△7)は依然マイナスにある。次期は4→△7と再悪化を予想している。

 経常利益DI(「増加」-「減少」割合)は△1→1と水面を超えた。これは2005年10〜12月期以来5年ぶりである。製造業(12→9)に続いてサービス業(△4→6)がプラス側に転じたが、建設業(△18→△18)と流通・商業(△4→△1)は依然マイナスの側を脱し切れていない。次期は製造業(9→△7)、サービス業(6→△6)も含めて全業種でマイナス側への悪化を予想しており予断を許さない。

 売上・客単価DI(「上昇」-「下降」割合)は△29→△25と多少改善を見せたが、依然として深くマイナス側に留まっている。一方、仕入単価DI(「上昇」−「下降」割合)は6→10と上昇しており、売上・客単価DIとの差は拡大傾向にある。仕入単価DIの上昇は製造業(14→19)と流通・商業(0→9)が牽引している。

 設備投資の実施割合は29.6%→29.6%と現状維持となったが、次期計画割合(23.9%→25.3%)、次々計画割合(17.2%→21.2%)と上昇傾向にある。設備の過不足感DI(「過剰」―「不足」割合)は0→△5と2008年7〜9月期以来の不足側に入った。

 雇用面でも改善が進み、正規従業員数DI(「増加」−「減少」割合)は△1→1と水面を超えた。建設業(3→△4)、製造業(△3→9)、流通・商業(0→2)、サービス業(△2→△3)と製造業が牽引している。臨時・パート・アルバイト数DIは2→1と現状を維持し、所定外労働時間DI(「増加」-「減少」割合)は△2→2とプラス側に転じた。人手の過剰感DI(「過剰」−「不足」割合)は7→0と人手の過剰感が収束に向かっている。

 業況判断など変化方向で水面に浮上しているものの、業況水準ではなお深い水面下にある。回復を牽引してきた製造業の足踏みや、100人以上規模の急後退という異変も見られることから、今後、生産の調整局面入りの可能性は大きい。価格競争は激化の様相を見せており、的確な対応が求められる。

*本文中特に断りのない限り、業況水準以外は前年同期比
*詳細は2011年1月31日発行のDOR93号をご覧下さい

[調査要領]
調査時    2010年12月5〜15日
対象企業   中小企業家同友会会員
調査の方法 郵送により自計記入を求めた
回答企業数 2,411社より921社の回答をえた(回答率38.2%)
(建設154社、製造業319社、流通・商業276社、サービス業166社)
平均従業員数 役員を含む正規従業員数39.4人
臨時・パート・アルバイトの数37.1人

PDF資料はこちら(PDF 327KB)

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