調査・研究

2017年は景況好転、18年上期は潮目変わり時の兆候あり
DOR123号(2017年10〜12月期景況調査)速報

2017年は景気好転が継続、
反面2018年初頭は業況判断DI等すべてで悪化予想。潮目変わりの兆候も

 今期の業況判断の指摘割合は、「好転」(28.8%→31.9%→32.8%)が明確になった。特に、「悪化」の下落が著しい(23.8%→21.5%→19.3%)。「悪化」は1990年以来となる低い数値になる。業況判断DI(「好転」−「悪化」割合)は10→13、売上高DI(「増加」−「減少」割合)は10→13、経常利益DI(「増加」−「減少」割合)は6→11、足元の景況を示す業況水準DI(「良い」−「悪い」割合)は9→18とすべて2桁に乗せて好転した。
 業況判断DIを業種別に見ると、建設業が4→13、製造業が14→15、流通・商業が8→8、サービス業が14→20と、建設業とサービス業が好調に引き上げた。地域経済圏別では、北海道・東北が4→△3、関東が10→13、北陸・中部が7→17、近畿が16→17、中国・四国が16→23、九州・沖縄が12→13と北海道・東北を除く全地域で2桁のプラス。北海道・東北のみ悪化水準となった。企業規模別では、20人未満で5→12、20人以上50人未満で14→17、50人以上100人未満で17→10、100人以上で14→15と、全企業規模で2桁の数値となった。
 今の景気回復は「いざなぎ景気」を超え60ヶ月に達したという。しかし、5年経っても個人消費は実質でみて3%の増加、1人あたりの名目賃金は1.6%増えただけである。成長の実感がない。景気拡大といいながら、日銀は大規模な金融緩和策の維持を決め、「景気がいいからそろそろ金利を上げるとの考えはない」(日本経済新聞、2017年12月22日)と強調。さらに、政府は当初予算に加え、補正予算も盛り込む。本当に景気は拡大しているのか。不透明感は増すばかりではないのか。
 次期(2018年1〜3月期)以降は、業況判断DIが13→8、売上高DIが13→10、経常利益DIが11→8、業況水準DIが18→9と、すべて悪化予想である。次々期4-6月期の業況判断DIも5とさらに下がる見通し。次期の業種別の業況判断DIでは、建設業が13→7、製造業が15→9、流通・商業が8→5、サービス業が20→13と、すべての業種で悪化する予測である。北朝鮮問題など海外要因や人材不足問題から不透明感は拭いきれない。経営者の言う「今は良いが、先が読めない」ということだろう。経営者は冷静な判断が期待される。

変化の激しい今だからこそ、10年先を見据えた経営計画が必要と痛感する

 採算面では、仕入単価DI(「上昇」−「下降」割合)が24→32と8ポイント上昇、特に製造業が32→41で引き続き上昇気運にある。売上・客単価DI(「上昇」−「下降」割合)も6→10と4ポイント上昇したが、仕入単価DI−売上・客単価DIの差はやや拡大した。金融面では長短の借入難度DI(「困難」−「容易」割合)の低下傾向は変わらず。資金繰りDI(「余裕有り」−「窮屈」割合)もプラス側(余裕有り)を維持しており、安定している。
 雇用面では、正規従業員数DI(「増加」−「減少」割合)は12→12と横ばい。臨時・パート・アルバイト数DIは6→12と人材不足の中にあり、正規従業員で手当てできない分をパート・アルバイトで補った形か。所定外労働時間DI(「増加」−「減少」割合)も△4→△1と増加。また、人手の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)は△47→△47と横ばいながら高水準であった。設備投資では設備の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)も△19→△19と横ばいであった。
 経営上の問題点では「従業員の不足」が40%→43%とさらに厳しくなり、2期連続で1位となった。特に建設業では、「従業員の不足」が46%→51%、「熟練技術者の確保難」が32%→42%、「下請業者の確保難」が33%→43%と人に関わる項目が上昇している。
 会員からは「当社も業界全体も大きな変革期に入って来て、製造、販売など全ての部門の構造改革が必要になってきました。変化の激しい今だからこそ、10年先を見据えた経営計画が必要と痛感し、これから取り組んでまいります(奈良、スポーツウェア製造)」との声も。経営者は10年ビジョンをはじめ、今こそ大きなビジョンを構想する時期と言える。

(2018年1月4日発表)

*本文中特に断りのない限り、業況水準以外は前年同期比
*詳細は2018年1月31日発行のDOR122号をご覧下さい

[調査要領]
調査時    2017年12月1〜15日
対象企業   中小企業家同友会会員
調査の方法  郵送により自計記入を求めた
回答企業数   2,367社より947社の回答をえた(回答率40%)
   (建設158社、製造業306社、流通・商業286社、サービス業188社)
平均従業員数  役員を含む正規従業員41.04人
       臨時・パート・アルバイトの数29.58人

PDF資料はこちら(PDF761KB)

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