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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2002年8月5日号

▼ 暗い話で恐縮ですが、警察庁の発表では、昨年の自殺者が3万1042名と4年連続3万名を超えたとのこと。自殺の動機のトップは健康問題で1万5131名(48・7%)。医療保険法が改定され、来春から医療費負担が増えます。さらに拍車をかけることになるのではないか、心配です

▼動機の第2位が経済・生活問題で6845名(22・1%)。この数字は10年前の4倍です。長引く不況による解雇、失業、事業の失敗などが背景にあります。職業別では自営業4149名(13・4%)となっており、中小零細企業主ということでしょう。この方たちはなぜ自死の道を選んだのか

▼すべてが事業の失敗と断定できませんが、事業の見通しがたたず、資金繰りに追い詰められる、家族・社員・取引先への多大な迷惑などを思いつめ、その重荷に耐えられなくなったことは想像に難くありません。生命保険金と引き換えに命を絶つこともあります

▼私たちが「金融アセス法」実現の運動を進める根拠の1つに、事業に失敗しても再挑戦が可能な環境づくりがあります。融資の条件とされる物的担保、個人保証、家族などの連帯保証といった従来の取引慣行の見直しです。部分的ですが、中小企業庁も「破産法」の改正を提起しています(2002年版『中小企業白書』)

▼もう1つ気がかりなことは、近年経営者の「過労死」が増えてきているのではないかということ。40〜50代で心臓や脳疾患による突然死です。会社と自身の健康管理には十二分でありたいものです。

「中小企業家しんぶん」8月5日号より


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