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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2002年11月5日号

▼ 静岡県沼津市で開かれた第11回障害者問題全国交流会。「障害者問題」が、何か特殊な世界の専門家たちが扱う問題であるかのような意識が回を重ねるごとに払拭(ふっしょく)されてきています。日本が高齢社会に入り、バリアフリーの思考が日常化してきたことの反映かもしれません

▼今回も多くの課題が交流されました。地元で知的障害者の就労支援に取り組む「手をつなぐ育成会」の人たちが紹介した養護学校在学中の職場実習の実状もその1つ。せっかく受け入れてくれた職場も、紙工場(できる仕事がない)、スーパーでの野菜袋詰め(パートの女性たちと折合わない)、食品工場(シール貼(は)りの仕事が途絶えた)などの理由でいまだ職につけない女生徒の事例など

▼職場を開拓し、できそうな仕事を世話するジョブコーチ制度もようやく始まったとのこと。地域の企業を探し、職場の作業工程を分解し生産性を落とさず分担してもらえる仕事を作り出す、いわばジョブコーチに橋渡しをするコーディネーター役を企業家はできるのではないか、そんな議論もはずみました

▼「障害者のことをこんなに熱心に考えている経済団体があることを初めて知りました」との育成会の方の発言が心に残りました。

「中小企業家しんぶん」11月5日号より


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