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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2003年 5月5日号

▼財務省が4月23日発表した2002年度の貿易統計速報によれば、日本は輸入面で中国を最大の相手国としました。今までの最大相手国米国を抜いたのです

▼中身も、従来伸び続けてきた繊維、食品が減少に転じ、機械関連に比重が移りました。この変化をマスコミは「構造的進化」と報じています

▼輸出面でも米国は減少に転じ、アジア向け輸出の急増が顕著です。アジア全体で見れば、輸入額で米国の2・6倍、輸出額で1・6倍です。当面新型肺炎の影響が懸念されますが、日本経済がアジアとの関係を深めていくことは明白です

▼もちろんこの傾向は1面では国内産業の崩壊、空洞化という「痛み」を伴いながら複雑に進行していることも事実です。しかし、日本経済の軸足が中国、韓国、台湾などのアジア経済圏に大きく移りつつあることは否定できません

▼ひるがえって日本経済のアジア化に比べ、日本の「アジアの一員」としての自覚はどうでしょうか。イラク戦争への対応然り。北朝鮮外交にしても、隣国の中国、韓国、ロシアと利害関係を調整しつつ、協調と独自の路線を貫くことが重要ではないでしょうか。経済の先行に政治や国民の意識の方が遅れていると思えてなりません。

「中小企業家しんぶん」 5月5日号より


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