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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2004年 1月 25日号

▼関東の年明けは穏やかな日に恵まれた。初詣のハシゴをした方も多いのではないか。受験とか商売繁昌とか、特定の目的がない限り、初詣という行為そのものに意味を持たせているのが、普通の日本人であろうから、極端に言えば、初詣先はどこでもよいのである。祭神や宗派など知らない人の方が多いのかもしれない

▼ホウトン・ミフリン社の国際年鑑93年度版によると、1億2400万人の日本人の宗教内訳は、1億1200万人の神道信者と、9300万人の仏教徒と説明している、とアマルティア・センは『自由と開発』の中で述べている。まことにうがった見方による数値であると感心するが、葬儀や行事、お守り札等の形式の中には、儒教・道教などの影響も混在しているのをどう見るか

▼一般庶民に対しては、「鷹揚(おうよう)でこだわりがない」などの褒(ほ)め言葉になるかもしれないが、立場が立場であれば、国際的にその見識を問われるのは当然である。祭神はだれなのか、宗派は何を祈ったのか、すべて見識を問われ、明日の国際関係に重要な一石を投ずることになる。直木賞作家渡辺淳一氏からの年賀状も「あやまちを、またくりかえす初詣」の一句が書かれていた。

「中小企業家しんぶん」 1月 25日号より


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