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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2005年 12月 25日号

▼小学生の息子の授業参観に行き、担任の先生から「事業家はいいですね」と言われたのが心に残っている。事業は直ちに結果が分かるが、教師は自分の教え方の是非が本当に分かるのは20〜30年後だから怖いという。息子は幸せだと思った

▼かつて「教師聖職論争」というのがあった。そのことはともかく、昨今の塾教師の殺人や強度偽装問題など、職業についての社会的正義感や使命感などつゆほども感じられないことに、戦慄とともに世直しが喫緊の課題であると思う人は、少なくあるまい。心が真っ当でなければ資格も検査も逆作用する

▼だれもが黒と思っていても、知らぬ存ぜぬで通してしまう大物政治家、累積すればやがて害になる懸念があっても、当面は問題ないと言い逃れる監督機関、何十万頭に1頭だと言って、現実に24カ月齢で病牛が出ているのに、30カ月まで認めろと言われ、政治決着しそうなどこかの首相

▼だれにでも見えるところで示される権威あるべき人の行為が最も大きな教育的影響力を持っている。ごまかしても、法をくぐればよいという風潮をまず打破しなければならない。新しい年、地域づくり、企業づくりの中で世直しをめざそうではないか。

「中小企業家しんぶん」 12月 25日号より


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