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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2006年 1月 25日号

▼報道的に言えば「記録的な豪雪」という乾いた表現になってしまうのだろうが、この冬の新潟を中心とする日本海側山沿いの大雪の大変さは、そこに住む者でなければ本当には理解できないかもしれない。

▼死者のほとんどが65歳以上である。雪の重みで家のきしむ音や押し潰される恐怖に襲われなければ、滑落の危険をおかしてまで屋根の雪下ろしをするはずがない。道が雪で閉ざされ孤立した集落も出た。食料や暖房源が底をついていく不安も体験者でなければ本当の辛(つら)さは分からないかもしれない。

▼何十年振りという所もあるから、大気温暖化による異常気象とすぐには結びつけたくないが、中国のGDPの急拡大やインドで大モーターショー開催と聞くと、さらなる温暖化進行の不安がよぎる。文明の利便性は人類等しく享受すべきであるからこそ、改善解決の道づくりは急務である。

▼まず科学的裏づけのみに忠実な政治の確立と国際連携、財政を伴った強い指導力による公共的技術開発がカギとなる。もう1つは、旧来の「文化生活」追求から「新しい生活文化」追求へのわれわれ自身の意識改革である。難儀とは思うが、議論を起こし一事実践に踏み切る事が地球と人類を救う。

「中小企業家しんぶん」 1月 25日号より


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