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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2007年 12月 5日号

▼10年前の1997年11月、三洋証券の会社更生法適用申請に始まり、北海道拓殖銀行、山一証券、徳陽シティ銀行と相次ぐ金融機関の経営破たんは、戦後の日本経済最大の危機ともいわれました

▼最近の新聞、経済誌では「金融危機10年」を回顧する特集記事が目立ちます。気になることは、これらの特集が当時の金融政策担当者や大手金融機関経営者の懐古談的記事が多いことです。銀行の不良債権処理を最優先させる政策により、貸し渋り、貸しはがしの被害を真っ向から受けた中小企業への言及は余り見られません。今日の地域経済衰退の引き金との指摘もありません

▼金融危機に対する同友会の対処は経済団体の中でも際立ったものでした。金融実態調査アンケートにもとづくシンポジウムや国への要請行動による世論の喚起。金融アセスメント法(地域と中小企業の金融環境を活性化させる法律)実現をめざす100万名署名活動と1000自治体を超す国への意見書決議

▼法律は実現していませんが、金融政策への反映や地域金融機関との連携は各地で大幅に前進しました。10年間の金融環境変化をふまえ、中小企業と地域経済活性化への金融政策のあり方を再度見直す必要があるでしょう。

「中小企業家しんぶん」 12月 5日号より


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