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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2008年 6月 15日号

▼今月は環境月間である。地球の温暖化現象に警鐘を鳴らす報道も多い。欧米の主要国は昨年から経済重視策から環境重視策に舵を切った。しかも環境問題をビジネスチャンスに変えていこうとの戦略である

▼原油高騰による代替エネルギー問題から、新しいビジネスとしてバイオ燃料が登場したが、これが食料問題として穀物価格の高騰に火をつけた。温暖化対策として炭酸ガスの排出と吸収がイーブンとなるトウモロコシを使ったエタノール燃料の大量生産が裏目に出たと言わざるを得ない。環境問題とエネルギー、食料問題は複雑に絡み合っているということである

▼この動きが鉱物資源の高騰と相まって1次産品の価格上昇に火をつけ、世界的なインフレ傾向が始まったと推測できる。最近のユーロ圏の消費者物価上昇は3・6%とユーロ導入以来の最高水準になった。中国では8・5%、ロシアは14・3%の上昇と言われる。わが国は統計上プラス1%程度であるが、DOR調査では中小企業が仕入れる原材料価格は上昇の一途である

▼今年は世界経済の潮目が大きく転換する歴史的な年と考え、経営戦略の練り直しが急務である。デフレに慣れきった体質からの脱皮が求められる。

「中小企業家しんぶん」 6月 15日号より


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