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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2008年 8月 15日号

▼相変わらず石油や食料品の価格が上昇している。原材料価格も高止まりの感がある。価格転嫁が難しい中小零細企業にとっては苦難の毎日と言える。内閣改造も行われたことであり、早急な景気対策を期待したい。中同協の景況調査では昨年から景気は下降局面に入るし、原材料の高騰を予想して経営戦略を見直すよう警鐘を発してきた

▼日本経済を取り巻く大きな潮流はグローバル化と少子高齢化である。グローバル化の中では商品の価格は日本一国では決まらない。特にエネルギーや食料、鉱物資源は海外の需要と供給で大きく変動する。一方、少子高齢化は日本国内の消費者人口の減少ととらえれば、国内のみの販売では需要の減退は避けられない。従って価格を上げることは難しい。このジレンマから抜け出す戦略を考えるのが経営者の仕事である

▼自立型企業づくりが提唱されて久しい。自主、自立の企業家精神をいかに発揮するかが問われている。今までは時流対応型で生き延びてきた企業も、今回の世界的インフレ傾向にどう立ち向かうか、試練のときである。同友会で鍛えられた経営者は、自社を守り雇用を確保する使命を忘れないでほしいものだ。歴史的な大転換の年になった。

「中小企業家しんぶん」 8月 15日号より


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