<< 中小企業家しんぶんのトップに戻る

中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2013年 3月 5日号

▼福島同友会相双地区会員85名全員が語る震災記録集「逆境に立ち向かう企業家たち」が発刊された。地震、津波に続く原発事故と歴史上例を見ない過酷な極限状況下で立ち上がる同友会の仲間たち。悲しみ、怒り、絶望のはざまで悩みながらも企業家の使命を果たす一人ひとりの生きざまに人間としての強さ、誇りに心うたれる

▼社員を津波で亡くした無念さ。市外退避でやむなく退職する社員たち、何もできない無力感。風評被害で新規受注が取れない悔しさ。原発事故処理の長期化を予測し南相馬工場は残し、新たにいわき工場を設立する((株)三恵クレア専務五十嵐氏)

▼原発事故後一人会社に残り、避難所や病院に食材を配達した。「南相馬の町を走っているのは自衛隊と警察と柴田鮮魚の車だけ」といわれた。お客様は4割減。南相馬を離れたくないが募集しても応募がない。商圏拡大のため須賀川に新工場を建設する(柴田鮮魚販売(株)中田社長)

▼浪江営業所が津波で倒壊、社長(父)常務(母)は流され1〜2カ月後遺体で発見された。急きょ土木建設業の社長を継承したが先が見えない(酒井工業(株)酒井社長)。この現状を風化させないために多くの方に読んでいただきたい。

「中小企業家しんぶん」 3月 5日号より


このページのトップへ