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中小企業家しんぶん

コラム「円卓」のバックナンバー

●2016年 7月 25日号

▼「あんなに素晴らしい会社だったのに…」と言われながら消えていった得意先がたくさんあります。立派な経営者がいて、それぞれの部署を担当する幹部もそろっていたのに、結局は倒産・廃業に追い込まれていきました。なぜ?と当時は本当に疑問に感じていました

▼今になって振り返ると、その理由がハッキリ分かります。消えていった会社の共通点は「人が育っていなかった」こと。経営者は優秀、幹部も優秀。でも皆さん一緒に、確実に歳をとっていきます。大体同年代で固まっていることが多いので、みんなが同時にいなくなる。その時に、ふと周りを見たら、それぞれの役割を継いでいくメンバーが皆無なのです。社長はどなたかが後を継いでいても、営業部長や技術部長・工場長にふさわしい人が誰もいない。目に見えて凋落(ちょうらく)が始まっていきました

▼事業承継は経営者だけの問題ではありません。さまざまな役割を担っている幹部1人1人の後を、誰がどのように継いでいくのか、何十年も先を見据えての計画的な採用・育成・登用があってはじめて対応可能なことです。「気がついたときは手遅れだった」と後悔しないよう、同友会の学びをしっかりと実践していきましょう。

「中小企業家しんぶん」 7月 25日号より


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