コラム「円卓」のバックナンバー

▼経済成長率1位となったインド。首都デリーは、解消されない交通渋滞と人の波、毎年35万人ずつ増えているという2000万人都市です。22言語が話され、さまざまな宗教・文化が共存するインドは成長のパワーがみなぎっています

▼先月実施された中同協インド・スリランカ視察では、現地企業や日系企業を見学し、「中小企業憲章」や「労使見解」の英訳も持参して、政府組織や経済団体などと懇談しました

▼インドは義務教育もなく、いまだにカーストの慣習が残り、識字率は75％。ある日系企業の経営者は「新卒採用に切り替え、1から育てることにしました。その方が社員の定着もいい」と話していました

▼一方、仏教国で親日のスリランカは、街並みも美しく、おもてなしの精神にあふれ、官庁の役職者には女性も多い。大学までの教育費と医療費が無料で、識字率も98％。日本で学んだという地元企業の「5S」は、生産ラインだけでなく執務室のファイルの整理に至るまで徹底

▼視察を通し、すでに数社が現地での仕事を検討することになりました。現地に行くことでしか得られない情報。自社の強みをグローバルな視点で再評価し、挑戦する年としたいものです。

「中小企業家しんぶん」 1月 5日号より