<< 中小企業家しんぶんのトップに戻る

中小企業家しんぶん

私のしんぶん活用法

求められる「学び」の姿勢

東京同友会広報部長
(株)リムライン社長 下村 正人

 (2003.02.05号掲載)

 「『中小企業家しんぶん』は読まないからいらない」という意見があるという。はて、なぜ読まないのか。「役に立たない」「つまらない」という声が返って来そう。

 経営講演会に行って「役に立たない」と仲間と話しながら帰って行く人がいる。業種・業容・業態や経営環境が違って、自分の会社経営には参考にならないということらしい。

 私は保険事故調査会社を経営し、最近は保険・共済サービスの日本初ビジネスモデルのアウトソサー事業を創業した。今まで1度も「保険調査会社経営法」などという講座に出合ったことはない。まして後者は日本初の事業で、ピッタリの講座など望むべくもない。

学び方を学ぶ
 同友会では「学び方を学ぶ」とか「恥ずかしいことを、恥ずかしいと気付かないことが、最も恥ずかしいこと」などという言葉を知った。極論的な言い方だが、どんな話もどんな文章も、およそ役に立たないものなどはないということか。

 同友会は運動体である。運動体の機関紙は血液のようなもの。全国45同友会3万7000人の組織をつなぐ情報紙である。

 会社経営に関係のないように見える活動報告の記事にも、その活動を支え動かす人の苦労が、脈々と感じられるものがある。

 それは、共に運動体としての同友会に所属する者としての共感ではないだろうか。それが同友会の「学び」であると思う。

 機関紙は商業紙誌とは違う。単なる字面だけでなく連帯する会員として、その奥にある実態や本質を理解し、賛同し、共感し、また意見し、批判することができることこそ機関紙の意義がある。

議論や批判も大事に
 「読まれる機関紙づくり」をめざすのは、編集者として永遠のテーマであり、追い求めるべきもの。しかし、思うほど読まれていないわけではない。読まれているという自信と確信をもって発刊し続けることが大事である。

 議論や批判が聞かれなくなることこそ、恐れなくてはならないのではないか。


このページのトップへ