顔の見える支部づくり 和歌山支部(和歌山) 和歌山支部長 野島 正明氏((株)野島建設相談役)

―地域の特徴を。

野島 和歌山市は、紀州藩の時代から繊維産業が盛んで、メリヤス工場や捺染(なっせん)工場も多く、染色に関係する化学薬品会社も多いところです。しかし、繊維関係は、海外への生産移転などの影響で、企業数は減少傾向にあります。大手金属(製鉄)会社の企業城下町的な一面もあり、好不況の影響が大きい街でもあります。

―入会のきっかけは。

野島 知人から、「勉強になる」と誘われたことがきっかけです。はじめはグループ討論に抵抗があり、葛藤もしましたが、続けていく中で、人間として成長できると思えるようになり、同友会がおもしろくなっていきました。

 当時、和歌山同友会には支部がなく、会員増強も兼ねて支部を設立しようとの話があり、私もその担当となりました。企業訪問でいろんな話を聞くことは、とても勉強になりました。

―支部活動について。

野島 現在、支部を15地区に分け、組織強化に取り組んでいます。1地区10~15名で地区長を置き、地区の取りまとめを3人の副支部長にお願いしています。地区長と担当の副支部長で例会参加の呼びかけや企業訪問を行い、顔の見える関係づくりを通して、例会などに参加していない会員の思いを掘り起こそうと取り組んでいます。

 これは愛知同友会の組織をもとにしたもので、全国から学んだことを支部運営に取り入れています。

―同友会で学ばれたことは。

野島 同友会のISO勉強会に参加し、2001年にISO9001を取得しました。わが社では、経営指針とISOを一体に取り組んでいます。ISOの実践を社内一丸となって取り組むことで、社員の意識も変わってきました。現場監督も各自が社長の意識で、責任感を持って仕事にあたっています。

 お客様との打ち合わせも、半年かけて綿密に行います。お客様の満足と信頼を得るために、「1人1現場」を貫いています。現場責任者の数以上の仕事はできないことから、バブル期には仕事を断る勇気を学びました。

 また、賃貸マンションの建設にあたっては、お客様にとって本当に良いことかどうかを見極め、場合によっては、諦めるよう勧めることもあります。

―今後の夢、抱負を。

野島 和歌山同友会は、大阪同友会に学び、学べる例会作りにも取り組んでいます。10月に行った経営研究集会では理事会が中心となって、報告者との事前打ち合わせを行い、参加者から「最高に良かった」との感想を得ることができました。支部においても、その例に習い、身近な仲間から報告者を選び、事前打ち合わせを2~3回行って充実した例会にしていこうと取り組んでいます。経営指針の学びを軸としながら、例会参加率50%を目指し、県のモデルとなる支部になれればと思っています。

▼和歌山支部の概要
設立 1999年
会員数 184名
役員数 24名
対象地域 和歌山市(人口38万人、企業数 3900社)

「中小企業家しんぶん」 2007年 1月 15日号より