「地域との共生」掲げ教育講演会も 埼葛地区(埼玉)

地区会長 藤田誠二氏((株)スエーニョ社長)

―地域の特徴は。

藤田 東京まで一時間前後、田園地帯とベッドタウンが入り混じった地域です。東京のように大きな市場があるわけでなく、かといって東京を相手にするにはこちらが弱く、中小企業が活発に動くには動きづらい地域という感じもありますね。住むにはいいとこですけど。

―入会のきっかけは。

藤田 父が新しい事業を立ち上げることになり、私が公務員をやめてそれを担当したのが経営者としての歩みの始まりです。
 全く経営のなんたるかがわからず、私がどなっては社員が辞めるという繰り返しでした。どこかに経営の勉強ができる場はないか探していました。そんな時、当社の社員がゴルフ練習場で練習していたところ、同友会の会員からコンペに誘われました。社員はそれなら社長に、というので私は参加しました。
 コンペが終わった時、「入会します」と言ったんですが、それから2カ月音沙汰なし。これは相当審査が厳しい会かと思い、2カ月後自分から「入会は難しいんでしょうか」と電話しました。翌日手続きに飛んできました(笑)。

―同友会でのいちばんの学びは。

藤田 やはり経営指針ですね。地区会でも、県でも学びました。社員を人間として尊重するようになり、どならなくなりました。売上よりももっと大切なもの、経営理念があることに気付き、それを社員に伝えるようになりました。

―昨年度念願の100名会員になったそうですね。

藤田 はい、おかげさまで。9月までに30名増強して一気にやろうということで、幹事1人が3人の対象者、特に経営で悩んでいる人をリストアップ、全体を4つのブロックに分け、それぞれの責任者を決めて取り組みました。私と組織委員長が、各責任者に対して「入会セットはおいてきましたか」など、こまめに取り組み状況の確認をし、9月までにやり上げることができました。

―今後の抱負は。

藤田 昨年地区会設立20周年を祝いました。その記念の行事では、「地域との共生」を掲げ、教育講演会を開いて市民1000名が参加しました。同友会は自分たちだけがよくなろうとする会でない、このことが地域の人々に伝わったと思います。これをさらに広げることが、これからの課題です。
 今年7月の全国総会は埼玉で開かれます。おもてなしの心でお迎えしますので、ぜひ皆さんいらしてください。

埼葛地区会の概要

設立 1987年
会員数 101名
役員数 31名
対象地域 久喜市、羽生市、加須市、幸手市、蓮田市、北川辺町、大利根町、騎西町、栗橋町、鷲宮町、宮代町、杉戸町、白岡町、菖蒲町の5市9町、人口57万人、企業数約4500社

「中小企業家しんぶん」 2008年 5月 15日号より