組織率10%を目標に 組織問題全国交流会・実践報告から (1)

 8月26~27日に「2009組織問題全国交流会」が、東京のアルカディア市ケ谷で開かれ、39同友会と中同協から127名が参加しました。1日目に行われた北海道、福島、愛知、愛媛、熊本の5つの同友会の実践報告を、今号から順次掲載します。

地域づくりから増強の推進力が生まれる~報告者・守和彦北海道同友会代表理事【北海道】

北海道の理事会では「10%プロジェクト」の報告が必ず一番最初の議題となっています。「全道の組織率7・49%」(8月現在)と到達点と入会承認をしてから討議しています。

人口減少で厳しい支部が毎年確実に会員を増やし、組織率10%を超えており、経済状況が厳しいことも逆に同友会への期待と関心を集める力になることを実証しています。

「しりべし小樽支部」(組織率10・28%、366名)では、増強リーダーが、組織的に増強するために、あらゆる会合で訴え、目標達成したら交代していく仕組みです。毎回100名の推薦リストを集め、複数の会員がアプローチして増強しています。

「苫小牧支部」(5・27%、225名)は、「全道経営者“共育”研究集会」の成功をバネに、青年部「友知会」を中心にして会員増強に取り組みました。200名会員達成祝賀会を予定して会員を励まし、220名会員を達成。

「帯広支部」(15・12%、739名)では、34年前の支部設立当初より地域の有力企業に入会してもらい、「あの人がいる同友会なら」と入会を推奨。6000社のデータベースをつくり、事務局の訪問記録などを登録し、長期計画で参加を呼びかけています。会員のフォローは「拓(たく)の会」という小集団や部会が受け皿です。

さらに、人口1万6000人の「別海地区会」(20%、57名)では、「同友会の仲間を増やして、中小企業振興基本条例をつくろう」と呼びかけ、今年4月に条例制定。町民の手で町の医療を守り育てる応援隊「医良(いい)同友(どうゆう)」を同友会が呼びかけるなど、注目されています。

各地区の競いあいが力に~報告者・増子勉福島同友会専務理事【福島】

少し減らした年もありますが、創立来32年間増やし続けてきて、現在は県の経済4団体(会議所・商工会・中央会・同友会)に入り、同友会は無視できない存在になっています。

増強戦略として、郡山、福島という大地区にまず拠点を作って、(現在組織率10%)財政を確保する。そして、それぞれの地域特性を大事にし、地区同士が競い合いながら全県展開を進めてきました。

毎年地区ごとの自主目標を決め、年度末目標必達の増強体質づくりを進めてきました。また、小グループ活動を活発にすすめ、「濃い人間関係」をつくって、役員を育成し、辞めない会、減らない会の体質作りを心がけてきました。

同友会は「人を残す運動」として、「地域を担うまっとうな経営者を残す」、つまり「会員増強とは同友会運動そのもの」と考えて、同友会づくりを進めてきました。

良い活動をしていたら自然に会員が増えるという錯覚をせず、目標を持ち、地域を担う人をつくる取り組みを全会員に提起し、立てた目標をトップがやりきることを追求してきました。

同友会が社会に責任を果たすためには、地域のどんな人に同友会に入っていただくのか、戦略と目標をもって進めてきたことです。

「中小企業家しんぶん」 2009年 9月 5日号より