組織的に増強を進める 組織問題全国交流会・実践報告から (2)

 8月26~27日「2009組織問題全国交流会」で行われた5つの同友会の実践報告より、今回は愛知、愛媛、熊本の報告を紹介します。

地区での日常活動を組織的に行う~報告者/秋山一正・愛知同友会増強委員長【愛知】

 愛知同友会では、48地区の責任者を4月の第1土曜日に集めて年度の増強がスタートします。今年は経済状況が大変ですので、今までの点(元気な個人)での増強から、線(組織)で動こうと、全員参加型の増強を目指しています。

 数の追及だけでなく、戦略的に2010年5000名という高い目標をもち、役員が1000人いるので、1人が1人の増強を2年連続できれば達成できると進めています。

 地区は日常増強で、本部は戦略増強を受け持つ形で行っています。地区の組織をさらにグループにわけて10から30名で、年1回全てのメンバーの会社へ行く訪問活動をして経営課題を話し合う、その場にゲストに参加していただいての増強が進んでいます。

 グループにも増強委員がいて、会員同士の経営指針の学びあいを見て、ゲストは入会します。地区会長、増強委員は毎日必ず入会申込書を持ち歩き、興味を持った経営者にその場で記入していただける体制をとっています。

支部づくりを軸に展開する増強の総合戦略~報告者/大野栄一・愛媛同友会代表理事【愛媛】

 愛媛同友会では、だれもが実践できる増強スタイルを確立してきました。会員数がじり貧の中から、この数年間の活動を総括して、われわれのやってきた活動の強み弱みを検討し、実践のために、次の4点を行ってきました。

 (1)現状認識の一致と局面を変えるために中期ビジョンで10%1600名を目指そうと意志統一できた。
 (2)実行のためにトップ役員の意思統一が大事と代表理事・支部長会議を毎月開催した。
 (3)全国から学び、変化をつくるために、まず大阪から学べる例会づくりを学ぶ。ゲストを招いて良さがわかる仕組みをつくる。

 2006年度「勝利の方程式」として確立し、2007年度から「仲間づくり運動方程式」(徹底して学べる支部例会をつくり、学べる同友会として入会頂く丁寧な対応)として確認してきました。

 (4)香川からは支部拡大を学ぶ。愛媛では、支部の典型を広めるために、今治をスタートに、支部理念を作って新しく支部を設立してきました。そして仲間づくり運動を支部の総合運動として同友会運動を進めてきました。

全国行事開催をバネに飛躍する~報告者/米村浩幸・熊本同友会代表理事【熊本】

 熊本同友会では、2002~2003年の大幅減少から、われわれは何を学んできたのかを議論し、事務局の生きがい働きがい、生活まで意識して増強への意志統一を図ってきました。

 2004年からプラスに転じ、2005年に500名を回復。その後、2009年全国研究集会の設営に立候補、それまでに700名会員にしようと決意しました。

 具体的には2007年度「仲間づくり委員会指針書」を作成し、スローガン、活動方針をつくり、紹介者リストの作成から退会者ストップまでの10の重点課題を掲げ、達成方法と期限を決めて取り組み、純増100名を達成しました。

 さらに2008年度は、2007年度の成果、課題を分析した上で、具体的な戦略に落とし込んで活動し、2年連続純増100名を達成できました。

 理事会、支部幹事会、仲間づくり委員会の団結を重視して、入会速報等のニュースもこまめに出して全員参加型の増強を行っています。今回の報告の機会を「1000名を目指せ」との期待と受けとり、邁進(まいしん)してまいります。

「中小企業家しんぶん」 2009年 9月 15日号より