組織率10%超える支部の活動より(1)【沖縄】面積が狭い支部ほど組織率高い

 8月26~27日に開かれた「2009組織問題全国交流会」で、地域に責任の持てる同友会づくりを進めようと、組織率10%をめざすことが確認されました。今号から、組織率が10%を超える支部の活動を連載で紹介します。第1回目は沖縄同友会の3支部を紹介します。

 沖縄同友会の現在の組織率は8・1%です。2007年の「沖縄全研」に取り組むことで会勢も1000名(組織率10・04%)を突破しましたが、その後は組織率が低下。その中で、全7支部中、浦西、宮古、八重山の3つの支部が10%を超える組織率を維持し、那覇支部も今年度中に10%(現在9・8%)を目指しています。

支部役員の信頼関係構築し増強目標達成~浦西支部

 浦添市と西原町で構成する浦西支部は、沖縄本島で一番面積の小さい支部で、それまでの南部ブロックを4支部に分割する方針に基づき、1996年に会員85名で設立されました。沖縄同友会は翌97年、500名台に会員が減少。組織の建て直しを図り、改めて会員増強を意識的に取り組んだのは1998年からでした。

 浦西支部出身の代表理事を責任者に「チャレンジ600~今、なぜ同友会の増強か」として、増強の意義を改めて問い直すとともに、150名の会員増強に取り組みました。その後3年間は、代表理事が2名とも浦西支部出身だったこともあり、この時期に支部長を中心に支部がまとまりました。

 この間、支部目標を100名達成、150名達成と明確に数字を掲げて活動。支部役員会の出席率を高め、役員同士の信頼関係を構築し、経営相談ができる役員会にできたことや、さまざまな会員交流会を大勢の参加で成功させたことなどで目標を達成してきました。

島の経済発展に同友会の存在不可欠~宮古支部、八重山支部

 宮古支部と八重山支部は県同友会の会議や会合になかなか参加できない離島というハンディがあります。そのこともあって比較的早い時期の1991年に八重山支部が会員39名で設立、翌々年の93年には宮古支部が31名で設立されました。

 会議や会合に事務局が参加することは限られており、役員は自分たちで準備し、活動を進めます。両支部では、経営指針作成セミナーを設立当初から独自に開催し、自社の経営を見つめ直すことに重点を置いてきました。さらに1993年からは両支部が隔年で設営を担当する「さきしま経営フォーラム」(=写真)を開催し、本島からの多数の参加者を迎える取り組みも進めてきました。

 2つの支部ではそれぞれの地域性を強調しながら県の運動と連携して、移動例会など、本島からの支援も得ながら増強を進めてきました。特に宮古支部では、支部長のリーダーシップが発揮され、女性部の立ち上げや、共育塾や同友会大学を支部独自で開催するなど、活動が活性化しています。島の経済発展に同友会の存在は不可欠で、現在では「沖縄県中小企業の振興に関する条例」の地域部会においてもイニシアチブを取るまでになっています。

 組織率10%の支部とそうでない支部を比較すると、支部の面積が狭いほど組織率は高くなっており、広域であることが、組織活動、特に会員増強の取り組みにおいての難しさを示しています。

 いま沖縄同友会では、今年度1100社を達成する取り組みの中で、企業が集中する都市型の那覇支部でも組織率10%を超えようと、新女性支部長がすでに2ケタの増強を上げるなど、支部増強目標の100名達成に向けて力を入れています。

「中小企業家しんぶん」 2009年 10月 5日号より