組織率10%超える支部の活動より(3)【香川】切磋琢磨し合う小グループ

組織で地域支える人づくり

 中同協では、地域に責任の持てる同友会づくりを進めようと、組織率10%をめざしています。前号から、組織率が10%を超える支部の活動を連載で紹介しています。今回は、小グループ活動を中心に県で組織率10%となった香川同友会を紹介します。

地域経済を担う企業家の育成を掲げ設立

 香川同友会は1988年に会員数1288名となり、翌89年には1456社と、香川県下、民間法人事業所数対会員比率10%を達成しました。その達成までの組織変遷を歴史的な視点で見たいと思います。

 76年に34名の会員数で産声をあげました。当時の組織形成の重点方針として、「地域経済を担う企業家を育成し成長する学びを役員活動を通じて行う」「共に学び育ち合う組織(場)づくりのしくみを強化する」を掲げて取り組みました。

地域グループを増やしながら

 その3年後の79年に5つのグループに編成して、64名の会員数となりまた。翌年には地域グループ(東讃)を発足させ、全6グループとなり、112名の会員数になりました(当時はグループが組織名称でした)。

 その4年後の83年には現在の高松地区の原型である9グループに編成し、遠隔地区の2グループ(東讃と西讃)を加えて11グループとなり、302名の会員数を達成しました。84年には西讃地区3グループ(坂出、丸亀、善通寺)が発足して13グループとなり、組織名称もグループから「支部」に変更、会員数も400名となりました。

 さらに5年後の89年に小豆島支部が発足。14支部へと再編成して1456名の会勢となりました。この時点で組織率は10%を超え、各々の支部でリーダーが活躍して地域を支える組織へと成長をしてきました。

日本一狭い県で共に成長できる関係づくり

 香川県の面積は日本一狭い県ですが、経営者の要望にこたえることができ、活き活きと活躍できる組織づくりを追求したこと。その結果、県下14支部や委員会組織で学んだリーダーたちが、雇用や人づくりで地域を支える企業にまで成長しています。

 組織率10%に至るまで設立から13年の歳月を要しましたが、お互いに切磋琢磨し合いながら、共に成長する関係づくりを大切にする小グループ活動を主眼にした組織戦略に据えて取り組んだことが、その源泉であると確信しています。

 現在では、組織力(会勢)に加えて、日常的な活動の成果が顕在化して、金融機関(会員支援提携ローン)や香川県(協働の森づくり)との提携が進むなどの成果がみられるようになりました。

 今後は、さらに地域の隅々にまで活躍する経営者の細かな要望にこたえられる組織づくり、人づくりを目指して運動を強化していきます。

香川県中小企業家同友会 事務局長 児嶋敏希

「中小企業家しんぶん」 2009年 11月 5日号より