何ができていないのかが明確に~(株)こもだ寝装 代表取締役菰田 晃伸(愛媛)

【変革への第1歩~活用しよう企業変革支援プログラム】6

 『企業変革支援プログラム・ステップ1』の活用事例を紹介する本シリーズ。今回は菰田晃伸・(株)こもだ寝装代表取締役(愛媛)に執筆いただきました。

 同友会に入会させていただいた頃はとにかく社員さんが辞めない会社を作りたい、早く周りから認められる経営者になりたい、そんな思いが強くありました。

 入会して早々に経営指針成文化セミナーにも参加させていただき指針書作りにも取り組みました。同友会で学ばせていただきながら、自分なりに一生懸命考えてようやく指針書ができ、皆さんがやられている指針発表会を真似て自社でやってみたのですが、結局1年たっても理念すら覚えてもらえませんでした。

 当時は立派な指針書さえできればみんなも共感してくれて、経営者として認めてもらえ、経営もがらりと変わる、そんな甘い期待を持っていましたので、発表がゴールになってしまっていました。

 そんなときに事務局の鎌田さんから勧められたのが、『企業変革支援プログラム・ステップ1』でした。

 少し内容に目をやると、「経営幹部や社員と共に自社を分析しお互いの認識の違いを理解しあう『全社一丸の経営』に導く」とあり、次には「同友会が半世紀もの間、同友会運動を通して会員に発信してきた知恵の凝縮でもあり同友会理念を実現化する手立てとなる内容でもあります」とあるのです。これは渡りに船だと飛びついて、今度こそ良い会社ができるぞと意気込み、早速診断を始めたのですが、結果を見てようやく先の長い取り組みになることに気づかされるのでした。

 これまで、理想の状態ばかり急いで求めており、自社の現状という足元を全く見ていませんでした。そう思ってプログラムを見てみると「自社の立ち位置を明確に」と書いてあることに気づきます。

 過去に先輩経営者から「目的地はわかっていても、今、自分がどこにいて、どのように行けば良いのかわからなければ、それは迷子になっているということだ」とよくたとえ話でして頂いていたのですが、本書を通してその意味にようやく気づかせていただくことができました。

 今年で2年目の取り組みになるのですが、昨年のデータと比較することで、何ができて何ができていないのかも明確になり、指針書更新時にその項目を課題として考えることができ、非常に役立ちました。

 これまでできていなかったPDCAのうち、CAの部分がようやくでき始めました。また次のステップに行くためのポイントも記されていますので、企業として成熟するまで成長を促されるようになっていると感じました。

 本書を通じて、さらなる変革に少しずつ取り組み続けていきたいと思います。

「中小企業家しんぶん」 2010年 11月 5日号より