第6回「 エネルギー=コスト?マネー? 」

 電気代、ガス代、燃料代など、家計でどのぐらいエネルギーコストがかかっているかご存知でしょうか。

 総務省統計局の「家計調査」を見てみると、2012年度年間総世帯平均で、光熱費が約18万3000円となっています。2012年度の世帯数は5417万世帯。単純に計算しますと、家計におけるエネルギーコストは約9・9兆円にもなります。日本のエネルギー自給率は現在4%。96%は輸入で約9・5兆円が日本や地域、ひいては家計から、海外へお金が出ていっていることになります。

 日本全体の化石燃料の輸入額の推移を「エネルギー白書2013」で見てみると、輸入額が一番高かったのは2008年度、27・7兆円にもなりました。これは原油などの高騰が一番の原因です。2012年度は24・1兆円でエネルギーにかかるコストは大変な額になっています。

 ドイツ・フライブルグの視察でコーディネートしていただいた環境ジャーナリストの村上敦氏は、その著書「KWH=¥(キロワットアワーイズマネー)」でエネルギーが地域通貨になる日、日本は蘇ると指摘。コストとしてみていたエネルギーを、逆転の発想でマネー=地域通貨として考えるということを提案しています。まずはエネルギーコストを地域全体で調査し、そのコストを地域でつくるエネルギーで少しでもまかなうことができれば、コスト=マネーが地域に循環し、地域に新しい仕事と雇用を生み出すということでした。

 エネルギーシフトは、省エネでエネルギーを削減し、地域暖房でエネルギー効率化を図り、使用するエネルギーは地域資源を生かした再生可能エネルギーを活用するということですが、地域にお金を循環させ、地域と中小企業の活性化を図る取り組みでもあります。

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「中小企業家しんぶん」 2014年 2月 15日号より