見えてきた経営指針実践の流れ 中山 英敬 ((株)ヒューマンライフ代表取締役)

【変革への第1歩~活用しよう企業変革支援プログラム】39

 弊社は、健康食品の通信販売のコールセンター業務を専門に受託しています。100席規模のコールセンターで、従業員数は、社員が70名、パートが110名の総数180名程です。管理職20名のうち6名が幹部です。

 創業した翌年から、経営指針作成セミナーを受講し作成・実践していますが、当初の大きな壁は社員との共有でした。長いこと葛藤の日々が続きました。「中小企業における労使関係の見解」(略称「労使見解」、中同協発行『人を生かす経営』所収)を学び社員一人ひとりとの信頼関係の重要性に気付き、信頼関係構築のために改善や工夫など、意識的に行動を変えました。

 社長が自分たちをしっかり見つめ、耳を傾け、理解しようとしていることが伝わりだすと、会社は一気に変わりだしました。

 社員の方から、もっと理念を学び深めたいとか、方針は自分たちで考え策定したいとか、社員たちの自主性がどんどん出てきました。

 経営指針も幹部と共につくるようになり、「よし、これでいける」。そう思い始めた頃でした。企業変革支援プログラムステップ1を手に入れ、自社経営の自己診断を行いました。

 ある程度できていると思っていたのですが、やり始めて大変なショックを受けました。方針を狭い範囲で考え、経営全般を細かく管理できていないことが1目瞭然でした。すべての項目の評価(成熟度レベル)に対して、その状態の説明が具体的に示されているので、わが社が今どこに位置するかがすぐにわかるのです。

 6名の幹部も実施しました。なんと6項目が私の評価と大きな差がありました。戦略の方向性や評価の基準がぶれていたのです。その評価をもとに皆で向き合い、自社の状態の捉え方の違いを確認することができました。

 恐る恐るステップ2を開いてみました。読んでいくうちに、このプログラムと経営指針の実践(PDCA)の流れが見えてきました。実践事例やレベルを上げるために必要な事項や解説など、どんどん課題が具体的になり、先が見えてきます。緊急性や重要性など、優先順をチェックし、幹部と共に取り組んでいます。

中同協経営労働副委員長・福岡同友会代表理事 中山 英敬

「中小企業家しんぶん」 2014年 4月 15日号より