自社の経営課題は明確になっていますか? 「学べる例会づくり」に活用【宮城同友会登米支部】

【変革への第1歩~活用しよう企業変革支援プログラム】41

「学んでも結果につながらない」

 宮城同友会登米支部は、宮城県北に位置する登米市に事業所を置く会員30名で構成されています。「経営指針を創る会」や「県役員研修講座」、「グループ長研修会」など、積極的に参加する会員が増え、支部づくりも学べる例会づくりに重点を置き取り組んでいます。地域的にも顔の見える関係があり、全国的にも活発な小グループ活動などは特に行っていません。

 その分、月1回の例会に焦点を絞り活動していますが、「支部外の役員企業の実践報告は聴き尽くしたが、いくら学んでも結果につながらない」「経営理念を作成しても実践できない」という課題が出てきました。

 そこで東洋産業(株)社長・玄地学氏(宮城同友会副代表理事、中同協経営労働委員会副委員長)を支部例会に招き、「企業変革支援プログラム」(以下、プログラム)をテーマに2回シリーズで取り組みました。

同友会で学ぶとは

 1回目は、プログラムの意義確認と記入に取り組みました。玄地氏の報告は、「同友会で学ぶとは、どういうことか皆さん分かりますか?」「そもそも学べるとは、自社の経営課題の解決のヒントを具体的につかむことです」「皆さんは、自社の経営課題を本当に分かっていますか? 明確に応えられますか?」「分かっていないと、ただ活動に参加しているだけになってしまいます。それではいくら活動しても会社は良くなりませんよ」というもので、参加者全員が衝撃を受けました。そして、2回目までにSTEP1活用シート(出典:愛知同友会代表理事・エイベックス(株)加藤明彦会長の資料。点数、点数の理由、点数レベルを上げる方策を記入するシート)、STEP2のプロフィールシートの記入を宿題としました。

「一番学べた例会」

 2回目は、東洋産業(株)の企業実践事例を基に参加者が自社で取り組んだ事例を交流しました。ある企業では、社員と一緒に取り組んだところ、点数だけの記入だったり、活用シートを半分しか記入しなかったりと反応はさまざまでしたが、社員の本音の意見をもらい一時は感情的になりながらも、冷静に自社を見つめ直し、社員との関わりから取り組み直しています。

 現在、支部例会ではプログラムを記入した会員一人ひとりが報告者となり、明確になった自社の課題を問題提起として報告しています。その後のグループ討論では、報告者企業の経営者のつもりで課題解決方法を討論し、そこから自社に置き換えて考えてみるというプロセスを踏んでいます。

 これまでは、事前に打ち合わせで決定した討論テーマで行っていましたが、報告内容が具体的に明確になったことから、参加者は「これまでと違い、一番学びになった例会だった」など、感想も寄せられました。今後は、この活動を継続しながら支部強化に取り組んでいく予定です。

「中小企業家しんぶん」 2014年 5月 15日号より