節目を迎えた各同友会【総会特集】

 4月には多くの同友会で総会が開催されました。今回は埼玉、山口、鳥取の各同友会の総会について特集します。初めて女性の代表理事が就任するなど、さらなる発展に向けた変革が行われています。

活動ハンドブックを活用しさらなる発展を【埼玉同友会40周年 第41回定時総会開催】

 埼玉同友会は4月19日、新都心ビジネス交流プラザにて第41回定時総会を行い、来賓19名含め270名が参加しました。第41回定時総会は第1部総会、第2部記念講演、第3部懇親会の3部構成で開かれました。

 第1部総会では冒頭木下信次・代表理事があいさつ。その後、来賓として上田清司・埼玉県知事、清水勇人・さいたま市長があいさつしました。次に総会議事を行い、議案の提案を行いました。そこで、海沼春男代表理事が退任し、新たに久賀きよ江氏((株)メガネマーケット代表取締役)が埼玉同友会初の女性代表理事に就任しました。

 また、埼玉同友会では今回初めて活動ハンドブックをまとめました。活動ハンドブックには、同友会活動の手引きと第41回定時総会議案、会員名簿が掲載されています。巻末には『中小企業における労使関係の見解』『中小企業憲章』などの資料を掲載し、ハンドブックひとつで同友会運動の概要が理解できるように工夫されています。手元にいつも持ちながら例会運営などを行い、同友会とは何か、今年度の方針が何かを振り返りながら運動を進めていく構えです。木下・代表理事からも「活動ハンドブックを活用しながら今年の運動に励んでいきましょう」と呼びかけがありました。

 第2部記念講演では鋤柄修・中同協会長((株)エステム代表取締役会長)が「会社を発展させることが経営者の責任~黒字経営を続けて40有余年」をテーマに講演。鋤柄氏の40年を超えた経営体験から話される豊富な実践事例は参加者の胸を打ち、自社に持ちかえり実践に結び付けたいという感想が多くありました。

 第3部懇親会では、バルーンを配置した華やかな会場の中で参加者全員が熱く抱負を話し合い盛り上がりました。

 40周年を迎えた埼玉同友会。今年は「『人を生かす経営』で激変する環境を乗り越えよう~めざそう!中小企業が主役の時代を~」をスローガンに、50周年に向けてさらなる運動の発展をめざします。

会員一人ひとりの力を結集して今がある【山口同友会創立20周年 第21回定時総会】

 山口同友会は4月26日に山口市湯田温泉のホテルかめ福にて、山口同友会創立20周年記念行事を開催しました。記念式典の前に行われた第21回定時総会では、山口同友会初の女性代表理事も誕生。山口同友会初の女性代表理事となった岡屋房枝代表理事((有)はるひ福祉サービス 統括専務)は、「多くの方に来ていただき、大変ありがたい。今までの20年間決して平坦ではなかったが、会員一人ひとりの力を結集して今がある。これからも同友会に学びながら進んでいきたい」と、決意を語りました。

 創立20周年記念式典では、県知事(木村進商工労働部長代読)・渡辺純忠山口市長らの祝辞と共に、国吉昌晴・中同協副会長からの祝辞がありました。国吉副会長は、「設立前の数年間毎月山口に通い、当時の設立メンバーと会員増強しながら設立に向けて準備したので20周年式典に参加できて感慨深いものがある」と、当時のことを振り返って語りました。その後、20年会員の表彰や歴代代表理事の紹介が行われました。

 記念式典終了後の記念講演では、駒澤大学吉田敬一教授が「アベノミクスの行方と中小企業の活路打開の道筋~持続可能な地域社会と同友会型企業づくり~」をテーマに問題提起があり、参加者を励ましました。

 講演後に行われた懇親会では、お祝いに駆けつけた近隣同友会(福岡、広島、岡山、香川)の参加者からスピーチがあるなど終始和やかな記念行事となりました。

創立10周年 21世紀型企業をめざして【鳥取同友会 創立10周年記念総会 記念講演】

 鳥取同友会は4月24日、米子全日空ホテルにて創立10周年記念総会・記念講演を67名の参加で開催しました。

 記念総会での議案の審議から始まり、その後10周年記念式典を行いました。記念式典では渡部代表理事のあいさつの後、平井鳥取県知事の祝辞が代読されました。続いて、10年永年会員14名の表彰が行われました。

 記念講演では鋤柄修・中同協会長((株)エステム代表取締役会長)から「創立10周年から展望する、これからの鳥取同友会活動~21世紀型企業をめざして、地域経済再生に取り組む同友会活動とは~」をテーマに講演がありました。

 鋤柄氏は友人の創業したエステムに入社。業績も伸び、急成長をした10年目、労働組合が結成されます。それが元で評価基準、賃金体系などコンサンルタントと勉強をし始めた頃に愛知同友会と出合い入会。会に積極的に参加し、役を持ち、3年目。例会に人が集まらずバブルの余韻もあり会員数も昔に比べ、まるで伸びなくなります。どこを改善すればよいのかと考えに考え、愛知同友会の代表理事になった頃には風通しの良い組織を目指しての大改革を行い増強につなげました。

 自身の経営を振り返り「社員を経営の良きパートナーとして、先見性を持ち、経営者として常にぶれない姿勢で自ら手本を示せていますか。今こそ経営者である以上、いかに環境が厳しくても時代の変化に対応し、いかなる時にも経営を維持し発展させる責任がある。地域経済のために貢献して自社の存在価値を高める事をもう一度考える時だ」と参加者に向けた熱いエールが送られました。

 言葉飾らず、歯に衣着せぬ物言いで聞いていて深く楽しく、社会情勢、少子化、女性進出にも触れられボリューム満載の講演となりました。

 その後の懇親会では野坂米子市長などからあいさつがあり、近隣同友会からも応援があり参加者の歓談も尽きないものとなりました。

「中小企業家しんぶん」 2014年 5月 15日号より