楽しく仲間づくりを 愛媛同友会松山支部 支部長 杉本 太一氏(特別養護老人ホーム梅本の里 施設長)

杉本施設長

 いつも笑顔を絶やさず話す杉本氏。「特別養護老人ホーム梅本の里」と「デイサービスセンター梅本の里・小梅」の施設長をしています。今回は地域の中心にある「小梅」を訪問しました。

―「梅本の里」、「小梅」について教えてください。

 最初は「市民の手で宅老所をつくろう」という思いで集まった有識者の会が「梅本の里」の前身です。いわゆる勉強会のようなものだったので、当初から資金作りや経営理念、方針について紆余曲折がありました。「梅本の里」を開設してからも約20年の苦難の歴史を重ね、ようやくわれわれの夢であった「小梅」の開設が実現しました。

 「小梅」のコンセプトは高齢者福祉施設と託児所の融合です。高齢者の方が託児所の子どもたちと触れ合うと自然と笑顔になり、子供どもちの成長に役立ちたいという「生きる意欲」が生まれます。子供たちは毎日40名近い高齢者から圧倒的な愛情を注がれると、自分はこの世に愛されているという「豊かな心」を育みます。こうした高齢者と子どもたち双方にプラスの相乗効果があると始めました。「小梅」の入り口には駄菓子屋や宿題の出来るスペースがあり、小・中学生が下校途中に立ち寄っていきます。これからも乳幼児や児童、地域や高齢者まで関わりあえる地元のコミュニティーの拠点になりたいです。

―同友会の魅力は

 同友会の魅力は何と言っても「人」です。企業規模・業界に縛られず対等にお付き合いくださる経営者の人柄が素晴らしい。この人といれば学び成長できると思えるような、強さと優しさのある人物ばかりです。

 従って当社は、毎年経営指針成文化セミナーや同友会大学を社員が受講するようにしています。悲しいかな私が理念を語るより、ほかの経営者の方々が語ってくださる方が社員も素直に受け入れてくれるようです。「セミナーでこんなことを学びました」とうれしそうに報告してくれるのですが、「それは私が前に話したことじゃないか」と笑い合うこともしばしばです。

 更に松山市の中小企業振興基本条例の条文には中小企業関係団体の定義として「中小企業家同友会」が記載されました。これは愛媛同友会の情報発信の成果です。中小企業を取り巻く問題をここまで真剣に考える会は同友会だけだと思います。

―今後の抱負を

 松山支部は現在300名で3つの地区会で成り立っています。私は県全体の増強本部長も兼任していますので、中期ビジョンに掲げている県会勢600名の夢を抱きながら、4つ目の地区を支部内に作り松山支部400名の増強を進めたい。

 増強で大切にしたいのは「できる、できる、絶対できる」と楽しく仲間づくりのできる雰囲気です。テクニックでは増えません。何より支部長・増強本部長の私が「絶対増強する」という強い覚悟の下、「強く増やす」の意味を理解し、私自身が学び人を惹きつかせる人物を目指したいです。

 最後に、第18回障害者問題全国交流会が来年10月22~23日に当地愛媛で開催されます。この全国交流会を大盛会へと導き、同友会全体の勢いと質を高めていきたいと思います。ぜひ全国から多数の参加をお待ちしております。

支部の概要

愛媛同友会(全5支部)
松山支部
(第1地区、第2地区、第3地区の3地区で構成)
支部設立年 1996年
支部範囲 松山市内
会員数 286名
役員数 37名

「中小企業家しんぶん」 2014年 12月 5日号より