学ぶ会の入り口としての新会員オリエンテーション【京都】

【変革と挑戦―各同友会の実践事例から】58

京都同友会

 京都同友会では、2005年度より新会員向けの会員オリエンテーションをステップ1・ステップ2の2回に分けて開催しています。それまでは、飲食を伴う懇親会型のオリエンテーションを開催していましたが、学ぶ会である同友会の入口としてふさわしいか再検討した結果、現在の形になりました。

 ステップ1の参加者は平均80名ほどで、新会員と入会候補者は20名前後。内容は同友会の性格(歴史と理念)・鼎談(ていだん)・グループ交流の3段階に分けています。同友会の性格は、京都同友会40周年記念の映像などを編集したものを視聴し、大まかな同友会の方向性を知ってもらいます。

 次に、鼎談では「私と同友会~会員が語る体験談」と題して、3名の会員が入会の動機や、入会して困ったこと、良かったことなどを語り合います。鼎談者は役員から選びますが、率直に自身の経験を交流しあうため好評です。

 最後にグループ交流で新会員や入会候補者の質問に答えていきます。15分ほどの名刺交換の機会も設けているのですが、ここで所属支部以外の役員と交流することにより、その後の支部を超えた活動への参加や、部会・委員会登録につながっています。

 ステップ2は、ステップ1を終えた会員に参加を限り、自社のビジョンや何のために経営しているのかを考えます。経営指針成文化委員会で講師を選出し、同友会大学や「人を生かす経営」実践道場などの学びの入口と位置づけています。

 ステップ1は、開催当初は新会員を主な対象と位置づけていましたが、会員増強の取り組み方が変わっていく中で、現在では毎回多くの入会候補者が参加しています。特に過去5年では、ステップ1に参加した入会候補者のうち60%が入会しています。

 設営を担当している組織委員会では、支部の会員拡大・支部活性化・総務(オリエンテーション設営)の3部門が連携し、拡大・活性の両面でオリエンテーションが寄与するよう努めています。

 また、会員が自主運営する事により理解が深まり、さまざまな場面でオリエンテーションの魅力を語れるようになります。そのことが新たな入会者を増やすことにつながり、京都同友会の活性化の下支えとなっています。

「中小企業家しんぶん」 2015年 10月 15日号より